02.
[水希視点]
水希「ところで誰を勧誘するのさ?」
緒橙「気になる?チョーやばくて凄い人!」
水希「は?ヤバい奴?大丈夫かよ?」
緒橙「大丈夫!あたしに任せて!」
満面の笑みで緒橙が答えると、
2-Aの教室の前で足が止まる
プルルルルルル…
緒橙「んー、やっぱりゆーしは
電話に出んわぁー」
水希「何してんの?」
緒橙「ちょっと悪知恵を思い付いてね!
あ、もしもしガックン久しぶりー!」
少し離れた所で緒橙が
電話をかけてるのを待っている間
ふとA組の教室を覗いてみる
水希「(このクラスってちょっと異様だよな…)」
一人机に肘をつきながら
音楽を聴いている赤羽桃子
まるで誰も話しかけるなという
独特のオーラを放ち女子は輪を作り
彼女を見向きもせず
一方男子の中にはふざけてなのか
崇拝のポーズを取ってる奴や
彼女に熱い視線を送る
よく分からない者もいる。
その光景を知るか知らぬか
赤羽桃子は目を伏せながら
一人の世界に入っていた
水希「(入学してから一年以上経ってんのに
毎日コレじゃ私なら頭おかしくなりそ)」
緒橙「おまたへ!今から声掛けに行くよ!」
水希「んで?誰に」
緒橙「赤羽さん!!」
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