21.




[水希視点]











次の日になりお昼休み


数日前から学校で提出する様求められていた
進路調査表を再び手に取り、しばらく眺めていた














緒橙「やっほー!水希!」



桃子「昨日はどうだったの?舞台」








お昼休みになり恒例の如く
二人は自分のクラスに遊びに来る










水希「あー、楽しかった」



桃子「有名な女優も出てたんでしょ?」



緒橙「栗林ちせ!あの子綺麗だよね!
桃子とはまた違う系統の綺麗さ」



桃子「やめなさいよ、女優と比べんの」



緒橙「あはは!…あれ?
まだ提出してなかったの?ソレ」











緒橙はあたしが持っている
進路調査表に気付き
不思議そうに覗き込んでくる











水希「…あぁ、進路変えようと思って」



緒橙「第一希望、立海大になってるじゃん!
もしかして…外部に行くの?」











緒橙の問いかけにあたしは顔を竦める







昨日からずっとウズウズしている状態は変わらない





しかし、昨日の今日でまだ何も
行動に移していないという状態で
大切な二人に話していいのか。








あたしが言葉に詰まると桃子は
何かを察したかの様に紙を取り上げて
左手で第一希望の欄に指をさす








桃子「昨日、何か見つけたんじゃないの?」



水希「…」









その言葉に緒橙は気付いたみたいで
あっ!と声を上げる










緒橙「迷う事ないんじゃないかなー?」


桃子「水希らしくないわね」










水希「…二人とも」










へへっと笑う緒橙と目を細めて笑う桃子















水希「…決意は固くなったんだけど、
何から始めればいいか分からなくて、」







小さな声でそう告げる









緒橙「いやいや、考える事なんかないっしょ!」



水希「え?」



緒橙「思い出の場所、行ってみなよ!」



桃子「そうね、原点に戻るって言うしね」







水希「…思い出の場所、かぁ…」







緒橙「ほれ!今から行ってこい!」



水希「え、いやまだ昼休み…」




桃子「思い立ったらすぐ行動、でしょ?」



緒橙「…へへ、こないだゆーしの所に行く時
水希が言ってくれた言葉だよ!
決めたからには今すぐ動くのだ!」












水希「…悪ぃな、そうだった」











カバンを手に取り帰り支度を
素早く済ませて二人に背を向ける









水希「…行ってくる!」






緒橙「行ってらー!」



桃子「…頑張るのよ、水希」























目的地は決まっている。



校舎を素早く出てずっと通っていたあの場所へ















丸井「お、帰んのか?水希」



緒橙「急用じゃよ急用」



桑原「はぁ…?」











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