20.
水希「何着りゃいいんだ」
今日は赤也と舞台を見に行く日
洋服にこだわりが無いからか
クローゼットの中は同じ様な
シンプルな服が掛けられてあるだけ。
水希「あーもう、めんどくせぇ!」
真ん中に掛けてあるニットを取り出し
履いていたスキニーに合わせ
鏡に映る自分を最終チェックする
水希「これでいいや」
小さめのリュックに財布とスマホを入れて
行ってきますと母に声をかけてから玄関を出る
水希「げっ最悪」
いつもより寒いなあ、と思ってたら
案の定天気は雨ザーザー
雨の日は荷物が増えるから
めんどくさい、なんて考えは
昔から変わらない。
だから極力外出は避けていたけど
今日はその考えを一旦忘れることにしよう
水希「10分前には着きそうだ」
傘から滴る雫の量から天候の悪さを思い知らされる
道端にポツリとできた沢山の水溜まりを避け
待ち合わせ場所までの足取りを速めた
◆ next
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