01.





[丸井視点]










丸井「あっちぃー!制服ベタつく」



仁王「そりゃ夏じゃからな」








蝉が校庭の木々に張り付き
鳴き声が五月蝿く耳に響いてくる




ー7月下旬





気温は三十度を超えていて
セットした髪の毛は汗で崩れるし
制服はベタついて最悪な気分に陥っていた










丸井「なんか最近面白い事ないよなぁー」



桑原「来週から夏休みじゃねーか」




仁王「そう言えばブン太、
噂の彼女とはどうなったんじゃ?」






丸井「どれ?」



桑原「どれって…ほら、
先週遊んだって言ってただろ」



仁王「三年の、綺麗な顔した」





丸井「んー?・・・あー!
別に付き合ってねぇよぃ」






桑原「お前本当チャラついてんな…」




















「お、おい!待てよ!


………くそっ!」











丸井「ーー…嫌な事思い出しちまったぜぃ」



桑原「?」










めっきりやらなくなってしまったテニス



高校に進学し、気付けばテニスを
断ち切るかの様に
遊びに夢中になっていた。

別にテニスが嫌いになった訳じゃない、
ただ、気が乗らなかっただけ。


そんで、ずっと大切にしていた
ラケットにはそれから
一度も触れていなかった。












桑原「俺等が言うのもあれだけど、
たまにはテニスしたらどうだ?」



丸井「一回離れるとタイミングがよぉ」



桑原「そういえば、幸村達は
夏休みに旅行するらしいぜ?」



丸井「旅行?」



仁王「テニス合宿兼旅行じゃ。
ホテルにテニスコートが付いてる所みたいぜよ」



桑原「しかも近くに海」



















丸井「海!なにそれ絶対面白いだろぃ!!」











仁王「絶対ナンパ目的じゃろ」

桑原「だな」






丸井「んなこたねぇーよ!
良い機会じゃん!
幸村君に話してみよーぜぃ!!」

















果たして二年間のブランクは夏で
取り戻せるのだろうか。











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