聖夜三重奏

三者三様、とある聖夜の過ごし方



【戯言編】

「いーちゃん、今日は何の日か知ってる?」「なんだい友、藪から棒に。まあ、知ってるよ。あれだろ、世界中の子供のいる家に深夜赤い色をした老人が忍びこんで、幼気な子供が寝ている枕元に勝手に贈り物を置いていく、クリスマスだろう?」「なんか間違ってないけど違う気がするんだね!でもあってるから褒めてあげるんだよー。えらいえらい」「で、どうしてそんな話をしたんだ?」「ん?それはね、今年のクリスマスは何しようかなーって僕様ちゃんが考えてたら、潤ちゃんが来てね、」「……哀川さんが?」「今年のサンタはアタシだぜ、いーちゃん!」「うわっ、哀川さん!?なんでサンタの格好を…というか手に持ったそのトナカイの着ぐるみはいったい…」「あー?何言ってんだよ、人類最強の赤たるアタシがサンタをやるのは、当たり前だろ。因みにトナカイ役はいーちゃんな」「……って、ことなんだよ!」「はっ?えっ、ちょっと待っ、ていうか友、助け……!」「んじゃーいーちゃん借りてくなー」「うん、いーちゃん、がんばるんだよー!」

「よぉ、いーたん。でけー姉ちゃんと一緒にクリスマス過ごすとか、羨ましいなー畜生め」「やぁ、人間失格。ハハハ、何なら今すぐ代わってやってもいいんだぜ?」「いやいや、折角のクリスマスは家族と過ごすもんだし、俺はこれで−−−」「哀川さーん、ぜろりんが是非ともお手伝いをしたいそうですよ」「おい欠陥んんん!!?」



【刀語】

「さて七花、今日はなんでも南蛮では『くりすます』という日らしい」「『栗すます』?何だそりゃ、栗の祭か?」「いや、否定姫に聞いた話だが、どうやら誰かの生まれた日を祝う日のようだ。何でもその祭の醍醐味というのは、『三太』というやつが夜の内に置いていくという贈り物なんだとか」「『三太』?誰だ、そいつ」「三太は老人だ。ただ、赤き衣を身に纏い、白い髭を伸ばし、『となかい』という馬のような生き物に跨がり一夜にして世界中の童の枕元に現れる……など、老人にしては随分と動けるらしい」「へー、そんなら戦ってみてぇな」「ちぇりおー!」「なんだよ、とがめ」「この馬鹿者が!考えてみよ、三太を倒してしまっては、三太からの贈り物を楽しみにしておる童どもがかわいそうであろう!」「おお、それもそうだな。分かった、三太とは戦わねぇ」「うむ、それがよいだろうな」

「………と、いう会話を彼らは…否定姫様?」「…くっ、ふふっ、…さ、サンタクロースとた、戦う、とか……しかも、倒すの前提で話、して…お、おかしっ、すぎっ……!!………ふぅ、やっぱりあいつら、楽しいわねー」「………はあ、左様で」



【めだか】

「クリスマスだぞ、善吉!今年も皆にプレゼントを配り、共に聖なる日を祝おうではないか」【凛ッ!】「はいはい、今年もお前がサンタで俺がトナカイ役なんだろ」「む?違うぞ善吉、今年は私がトナカイ、貴様がサンタクロースだ」「は?」「うむ、今年は仮装をするに辺り他の者にも意見を聞いてみたのだが、皆一様にお前がサンタをする方がよいと言っておってな。熱望されては叶えぬ訳にもいくまい」「カッ!俺のサンタがいいとか、物好きな奴もいたもんだな」『確かに、』『物好きだよねー』『スタイル抜群容姿端麗なめだかちゃんより』『君みたいな普通(ノーマル)の方がいいとかさ』「球磨川!?」『おっと』『警戒しないでよ』『僕はただパーティーの主役二人を』『向かえに来ただけだって』「パーティー?」「ああ、今年一年、世話になった者たちを招いたのだ」『1組から±13組まで、よくもまぁあれだけ集めたもんだ』『その行動力、』『僕には真似できないや!』『真似するつもりもないけどね』「ふむ、折角集まっていただいたのだし、待たせるのも悪いか。では善吉よ、サンタの衣装はこれだからな」「結局着んのか……あー、分かった分かった。やってやるよ」『いつも思うけど』『善吉ちゃんって案外ちょろいよね』

「あ、宗像先輩たちも来てたんスね」「うん、後輩がサンタクロースだなんて、素敵なものだね」「人吉君人吉君人吉君、やっぱり人吉君はサンタクロース似合うね私としてはプレゼントは二人きりの時間でもいいけどここは王道に人吉君がプレゼントでもいいかなって私は私は(ry」「私は別にサンタとか信じてないしー?誘われたから来ただけで、ヒートを見に来たんじゃないからね!」「……ひょっとして、サンタやれって言ったの」「「「私(僕)だけど(だよ)」」」
「モテモテだねぇ、人吉君は」『安心院さんもそう思う?というかまだプレゼント貰う気なんだね!流石だよ!』「ははは、僕はまだうら若き乙女だぜ、球磨川君」『乙女(笑)って…あぁっ!僕のプレゼント!酷いや安心院さん!!』
「うむ、皆楽しそうで何よりだな、喜界島会計」「あー、うん、そうだね……」



MerryChristmas


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