好き、スキ、すき……
あなたが大好きです
言葉で表現できないくらい
頭の中はあなたでいっぱいなの
あなたを一目見たときから好きでした
だから、あなたのことは何でも知っているの
あなた以上に知っているつもりよ
あなたの靴のサイズだって知ってる
昨日はいつ寝たのかだってわかる
飼っている猫の種類も把握してるわ
誕生日や血液型なんて基本中の基本よ!
分からなかったら愛する資格なんてないわ!
でも、知りたいことはどんどん溢れてくるの
毎日の様にあなたのことを考えているのよ
あなたは明日どんな服を着る予定かな
朝食は何を食べたのかな
最近のお気に入りは何なのかな
そして知れば知るほど好きになるの

ここまで読んであなたが私のことを変に思うかもしれないけど、
それは、あなたと私が会ったことがないからだと思うの
無理もないわよね……
だって、私があなたの知らないところで一目惚れしたんだから
だって、私の一方的な愛なのだから
だから、あなたはいつも通りでいいの
いつも通りでなきゃダメなの

きっと、
あなたが私以外の誰かを愛してしまったら
きっと私はわたしでなくなると思うの
あなたが愛してしまった人を殺して、
あなたまでも殺してしまいそうで怖いの
あなたを、愛する人を殺していまいそうで怖いから
あなたは私以外、誰も愛しちゃいけないの
わかった?

隠したって無駄なんだから
わたし、毎日あなたのことを見てるから
何でもお見通しなのよ
毎日、健気について行ってるから
気づいてないみたいだけど
あなたの後ろを健気について行ってるの
あなたのことが今以上に知りたくて
あなたのことをメモにとっているの
あなたの写真も撮っているのよ
ビデオもDVDも増えていくばかり
わたしの部屋はあなた一色よ!
あなたの写真を引き伸ばしてポスターも作ったの
あ、カレンダーやポストカードも作ったのよ
そういえば、この前あなたの写真を使って抱き枕も作ったのよ
とっても気持ちよく眠れる抱き枕
毎日抱きしめて寝ているわ!

あと、それから、それからね

あなたの行動を事細やかに書いたノートもあるのよ?
あぁ、あなたに見せたいわ
そうしたら私があなたをどれだけ好きか分かってもらえるのに
私の頭の中を見せてあげられたらいいのに……
そうしたら私があなたをどれだけ好きか分かってもらえるのに
でもいいの、今はこれで
気持ちさえ分かってもらえれば、
大好きなの、あなたが
大好きなんです

あなたが私のことを好きじゃなくても安心して?
あなたも私のことを好きになるから
これは自信じゃなくて確信なの


すべてあなたへの愛なの、わかって?


好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き
好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き
好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き

追伸、
昨日は大声で叫んでたけどノド大丈夫?
イラついたときはカルシウムが一番よ?



「なんだよ、これ……」

 手紙を見た瞬間、全身に鳥肌が立つのが酷く分かった

 封筒には差出人が書かれてなくて俺に名前だけが書かれている
 そして、何枚にもわたる手紙で、綺麗な文字の羅列だ
 ピンクの封筒にピンクの便箋……
 一見、だだのラブレターだ
 けど、内容はヤバイ、ヒドイ、ヒドすぎる
 読み始めは普通のラブレターといっても過言ではない
 しかし、読めば読むほど酷くなっていく一方だ
 これは明らかなストーカー行為じゃないか!?
 今まで気づかなかった俺も俺だが……
 それを抜きにしてもこいつは気持ち悪い
 だいだい何で俺が叫んでいた事を知っているんだ!?
 家の外で聞いていたのか?

 ……否、違う

 この家は半防音になっているから昨日の声は外に居る奴には聞こえないはず……
 なのに、何で……

 まさか、盗聴器か!?


 翌日、
 業者に依頼をしたら実に十一個もの盗聴器が発見された
 それから、家の鍵も新しくして三つに増やした
 これであの女(姿は見たことないけど)も家に入ってこないだろう


 さらに数日後……
 郵便受けにまた封筒が入っていた
 怖い、だけど開けてみる
 ピンクの封筒にはピンクの便箋が一枚入っていた


今度は分かりにくくしたから安心して?


 背後に、気配を感じる……



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