折原くんと図書委員さん



、とあの先輩について考える。
いや、急に思い至ったって言うよりはさっきここに来たのが目に入ったからなんだけど。

丁度読んでいた本も終わりを迎え、わざわざ新しい本を取りに行くのも面倒だなあと思いつつ座っていたときにやってきたのだ。



私より一つ上の、2年生。名前は、折原臨也先輩。
折原は多分オリハラ、って読むんだろうけど臨也はわからない。そんなに仲良くなることなんてないだろうから、多分そのまま知らないままになるだろう。


大体放課後に来るから部活はやってないのかもしれない。
あ、でもそんなに忙しくない部活なのかもしれない。文化部なら放課後に来れるのもうなずく。

見た目はどうみてもインテリ系で体育会系とは反対そうだし。この辺もあのお兄ちゃんとは真逆だ。あの人はどう考えても体育会系ってか、うーん……保留。


見目麗しい見た目とこの図書室の常連ということで、同じ図書委員の先輩たちの話題の種にもなってる。
ただ、どうにもいい噂と悪いうわさが混在している。いや、それひっくるめてカッコイイそうなんだけどなんて言うかなあ……。

人間離れした相手にひょうひょうと向かうとか、軽い挑発繰り返すとか人間ラブな変人とか人を貶めるのが大好きな最低人間とか……。私から見た感じ、見た目がいい、何ら変わりない普通の先輩だと思うからやっぱりただの噂でしかないのかもしれない。


選ぶ本の内容から頭は良いだろう。絶対良い。
運動は……どうなんだろう。静かに本を読んでる姿しか見たことないから、それ以外は想像がつかない。(ちなみに時々女の子がその姿に目を奪われてる。わからなくはない)

でも、なんとなくできるんじゃないかって思う。と、いうより願望かもしれない。
だって、ねえ…?あんなにカッコイイんだからできてほしいのが女心じゃないか。



「…………あの」

「え?」



ぼんやり考えていたらその先輩が目の前に来ていた。

一瞬思考が読まれたかと思うが、手に持っている本で正気に戻る。



「すみません、ちょっと待っててくださいね」

「いえ、……お願い、します」

「はい。…………どうぞ。期限は1週間後ですね」

「………あり、がとう」



初めて少し目があって、小さく驚いた。

すぐに逸らされ、そのまま出ていってしまったけれど。


もう一つ想像追加。
折原先輩は、意外と人見知りなのかもしれない。



折原先輩に会うのが何だか楽しくなってきた最近。




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