「あ」

「………」

「っちょ、ドント先輩!」

「………」

「無視しなくてもいいじゃないですか!!」

「………」

「先輩!ドント先輩ってば!!」

「………」

「………」

「………」

「…みなさァァアアん!!この人は私のストーカーでぇぇぇえええす!!」

「はぁっ!!?ちょ、テメッ!!」

「ただでさえ力量差デカいからもう私怖いよぉぉぉおおおお!!!しかも現在進行形でストーカーされて、無視してるのに話しかけ続けてk「いい加減にしろよ馬鹿!!無視してるのに話しかけてんのお前だろ!」

「てへぺろ☆」

「死ね。っつかとりあえず今の否定し「さっきのは冗談でェェェエエエす!!」…いや、それもどうなんだ」

「だってこれ以外に否定する方法なんて思いつきませんよ」

「はぁ。……で?」

「で?」

「なんで俺を引き留めたんだ?」

「え、……え」

「……まさか、いくらナマエが馬鹿とはいえ理由もなしにあんな馬鹿なことやったとか言わないよなぁ…?」

「い、いやですねえドント先輩!理由ならちゃんとあるに決まってるじゃないですか!!
 (なんかあったかな、いや何かあるはずだ!!諦めるなナマエ!!)」

「目が泳いでるぞ」

「やーですねえそんなワケないですとも!」

「……どーせ偶然見かけて声かけたら無視されたからムキになったとかそんなんだろ」

「十分わかってるじゃないですか!…ッハ!!」

「要は大した理由ないんだろ、バカ」

「誘導尋問だわ!酷い、ドント先輩!!」

「俺からしてみればお前の方がよっぽどだけどな」

「ドント先輩の同居人の方が酷いですよ!」

「急に矛先変えて……。ディドの奴また何かやらかしたのか?」

「どっちかっていうと私がやらかしたような気もするんですけどね。間違って生徒会室に辿りついてしまったので」

「ああ、まだ慣れてないのか。……まあ広いしな、あの学園」

「職員室行くつもりが生徒会室に入っちゃって、なんか悪霊に誘惑されてたら突然英雄生徒会長がでてきたんです!」

「(悪霊…?)よく逃げられたな」

「ああ、偶然フリッピー先輩がやってきてくれたので。乱闘でドアとか倒壊してたんでまた修理した方がいいですよ」

「アイツら……。わかった、手配しとく」

「さすが影の生徒会長。苦労が絶えませんねっ!」

「…嬉しそうだな」

「生徒会長に悩まされる同士がいることが嬉しいんですよ!いや、何も悩まされないのが一番いいんですけどね」

「俺はお前ら全員に悩まされるけどな」

「ぼそっとひどいこと言わないで下さいよー。私の英雄生徒会長からの被害もすごいんですから!」

「……聞きたくないが聞いてやる。例えば?」

「……まずはやっぱり昨日のですかねえ。
 あ、さっきの間違って生徒会室に行っちゃったやつのことなんですけど。
 悪霊と会話してたらいきなりでてきて「私のこと見てくれ!」なんて背筋がゾワッとするようなこと言われて。いつものようにあしらってたらそういうのも悪くない的なことまで言われてもう気持ち悪いッたらないんですよ!腕掴まれてるから帰れないし、ずっと問答の繰り返しで。無視するのもウザいし。更に気持ち悪いこと言われそう……いや、どっちにしろ変わらなさそうなんだけども!あ、しかもなぜか私がモール先生に質問しに行こうとしてたの知ってたんですよ、恐ろしくない!?
 まあさっき言ったように最終的にフリッピー先輩が助けてくださったんですけど。

 で、その前は私のお弁当奪われたんです。
 どうにもどっかに置きっぱなしにしてた私のお弁当を見つけて回収したらしくて。シフリフとお昼食べよーぜってなったときに置きっぱなしにしてたのに気付いてそこ行ったらないんだから。他人のお弁当盗るような人なんていないだろうしー、って話してたらシフティが最悪の予想して。いや、さすがにそれは――と思いつつも半分冗談で行ったら会長の机の上に私のお弁当が…!
 しかもなにが気持ち悪いって、私のお弁当食べてないんですよ。違うのです。なんで食べてないのかってシフリフが問い詰めたら「彼女の作った弁当なんて食べられない!永久保存だ!!」とか熱弁されて。もうドン引き。気持ち悪いって言葉じゃ表せないアレは。
 しょうがないから私が相手してる間にこっそりシフティに覚醒先輩呼んでもらってどうにかしました。

 あと――「もういい、もういい」

え、まだまだありますよ?」

「いや、それ以上聞くと精神衛生上悪い。……ナマエよく耐えられてるな」

「慣れましたんで。いや、慣れてはないんだけどもう諦めの境地っていうかなんていうか……」

「……お前も大変だな」

「あー……お互い様ということで。
 それにたまーに役に立つんですよー。だからまあ、ね」

「……アレが?役に?」

「はい。
 気持ち悪いことに変わりないんだけど「アイス食べたいなー」とか呟いてみると数十秒後にはなぜか素敵な笑顔でアイス持った生徒会長が立ってたり、「宿題終わってないなー」と朝シフリフに言えばまあこれはさすがに先生にもよるけど8割がたその授業が次週になって宿題提出が延期になったり」

「………」

「生徒会長いわく、愛とヒーローの力だそうですよ。気持ち悪いですね――ってどうしましたドント先輩?」

「……その愛とヒーローの力に思い当たるもんがある。ナマエ、ちょっと上着脱げ」

「え?何ですかこんなところで脱げだなんてハッ、まさかドント先輩はそんな趣味を!!「いいからとっとと脱げ!!」……はーい」

「………」

「はい、ジャケット脱ぎましたー、ってうぉいっ!!?」

「声に色気なさすぎだろ」

「いきなり人の腰に手を当てる男に言われたくないです。で、何を?」

「………」

「ドント先輩?」

「……案の定か」

「?」

「シャツも向こうで脱いでこい」

「それ完全セクハラですよ。ドント先輩がそんなこと言うなんて!!もう……」

「ここで脱ぐな!!」

「初ですねえ。顔逸らすとかかわいい「オイ!!!」はーい」

「で、脱いだシャツを調べてみろ」

「調べるんですか?…わかりましたー」

「…気を確かに持てよ」

「…?」





「はぁぁぁああああああ!!!?」

「………」

「ちょっ、何でこんくぁwせdrftgyふじこlp;!!」

「気持ちはわかるが落ち着け。脱いだまま出てこようとすんな」

「おちっ、落ち着いてられませんよねこれ!!?何で……何で私が、私の下着に盗聴器っぽいものがあるんですか!!?」

「盗聴器っぽいっつうか盗聴器だろうな。
 いつぞやディドが盗撮とか盗聴本買ってんの思い出した。あのときはいつものヒーロー癖かと思ったがナマエの話聞いてわかった。アレどう考えてもお前用だわ」


「」

「しかも多分大体全部の服についてるんじゃねえの。何着ててもそんなことが起こるんなら」

「」





悪夢みる放課後



(あ、丁度よかった英雄生徒会長。ちょっと用事が)
(!!!君から話しかけてくれるなんて!いいよどんな話でも聞k)
(よォ、生徒会長さんよ)
(解ってはいたけど本当に君クズだよね。生きてる価値もない)
(え、ちょっと待ってくれどういうことd――うわぁ!!?)

(……あのままこの世から完全消滅してしまえ!)
(そこまではまあムリだろうが、それでもあの二人同時相手はディドでもキツいだろ。丁度いい制裁にはなる)
(手伝い感謝します、ドント先輩。ついでに盗聴盗撮その他諸々関連全部捨てといてください)
(言われなくてもそうするって)










実は合鍵も持ってます。でもきっと全部ドントにバレて捨てられる。
普通に書いたらこれただのヤンデレストーカー!←




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