ランピーの姿を見かけた瞬間、まさしく一瞬。
脳に情報が伝達されるより早く腕を引かれて柔らかい何かに顔が当たる。



「フリッピーの目の前で刃物使うとかバカかランピー!!」

「ごめんごめん。全然気にしてなかったんだよ〜」

「だからバカ!家出た瞬間惨殺とかイヤすぎるんだからね!!」

「オレも死にたくはないけどさー」



……どうにも刃物を見て僕が暴走しないように目を塞いでくれた、らしい。

彼女の胸元に顔をうずめられて後ろからかるく頭を押さえられている今の体勢。
一歩間違えばそれこそ惨殺されてただろうに、とか何度言っても多分ランピーには通じないんじゃないかな、とか思うところは色々あるけど、この体勢のおかげで全く頭が働かない。


未だにランピーとしゃべっていて僕のことを気にしてない彼女。抜け出そうと思えば簡単に離れられる程度の力。全体に感じる柔らかさと温かさとどこか甘い匂い。

それら全部を天秤にかけて、さて、僕はどうしようか。

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