苦しいのは貴方の所為。
そう言ったら彼は喜んで肯定した。
だから私は彼を詰る。
辛いのは貴方の所為。
そう言ったら彼は楽しげに肯定した。
だから私は彼を罵る。
泣きたいのは貴方の所為。
そう言ったら彼は嬉しそうに肯定した。
だから私は彼を責める。
痛いのは貴方の所為。
そう言ったら彼は幸せそうに肯定した。
だから私は彼を蹴る。
死にたいのは貴方の所為。
そう言ったら彼は笑って肯定してくれなかった。
「それだけはいただけないなあ」
彼を殴ろうとした手は片手で止められて、もう片手で抱きとめられた。
私、実は幸せだったのかもしれないわ。