<Q.7.20は?

A.なにをの日
ひかるの日!>









「ほな、ヒントあげますわ7月20日。」


『へ?何を?』


その電話越しの腑抜けたユウジ先輩の解答にイラついて、俺は思わず電話を切った。





さかのぼること、本日、午前中。







7月20日。何のへんてつもない普通の日。
フツーに登校日やし、
フツーに平日。
別にどうでも良い事、あまり気にしてない事だが 俺の誕生日でもある。


レギュラーの大体の人は知っていて、朝練の時に 皆で祝ってくれた。
恋人のユウジ先輩はというと、寝坊しただかなんだかで、たまたま朝練には来なかった。
ユウジ先輩は後で祝ってくれたらエエなぐらいな気持ちでいた。でも祝ってくれるだろう。仮にも恋人同士なのだから。



とは思ったものの……
もう放課後やで。部活の時間なんて一言も喋っとらんし。
帰りは別々やからサプライズ?にしては遅すぎるんとちゃう?


かなり自分でもカンジ悪いとは思ったが、電話を掛けてみた。


プルルルルルルル……

ブツッ、

『ん…光?』


この声は、
「あ、寝てました?」


『まぁな。で、何?』


寝てただと?
今、俺が電話掛けてへんかったら21日になってたやないか!!!


「ん……と、今日、何か忘れてないすか……?」

俺はそっと探りを入れようと思い、質問した。
ただそれだけだった。
そして冒頭部分に戻る。 “へ?何を?”って何やねん!俺の誕生日の日にちバカにしとんのか!!誕生日や!俺の!!恋人やのに!付き合っとんのに!!何よりも誰よりもユウジ先輩が……………………


好き、やのに。


俺は考えすぎたせいか、疲労感がどっときて、酷い眠気におそわれた。
もう何も考えんと寝る事にした。


「ユウジ先輩なんか……嫌いや」


ベッドに潜ってそう、呟き、眠りについた。

その間、着信履歴がユウジ先輩で埋まっている事も知らず。







「…………ん、」
目覚まし時計を見ると、午後11時
まだギリギリ20日だった。
早よこないな最低な日なんて過ぎればええのに。なんで微妙な時間に……と重い体をゆっくりと起こすと……



“ぎゅむっ”



ユウジ先輩が、いた。


「は?」
夢?あれ、俺、夢見とんの!?ユウジ先輩がおる?しかも寝とるし!!


自分の頬をつねってみた。痛かった。どうやら現実らしい。


「ユ、ユウジ先輩?」


今一番会いたくなかった相手やからこのままでいいか、とも思うが起こさなければ話は始まらない。

つついて起こす事にした。


「ん……ざい……!!!ざいぜんんんんん!!!あ、ひっかる!」


「なんでフルネーム……てか、何でココに居るんですか?」


「あ、光の家の人に今日俺が泊まるよう言っといたからよろしくな」


「はぁ!?」


イミわからんイミわからんイミわからん!!!! 何なんこの人!!


「、っはぁ……今日のところはしゃーないっすけど…………何しに来たんすか?」


「さっきの、電話。」


「あ…………」


もしかして気付いたん?思い出したん?


「あれ……絶対俺、寝ぼけてたんや!!やって俺光の誕生日知っとるもん!!その……………………スマン」


「やったら放課後とかでもよかったんすけど?」

「俺は俺なりのプランがあったんや!!………………家に押し掛ける、とも言うかもしれんけど、……」


「?」

よく意味がわからなかった。
そして次のユウジ先輩の行動も理解出来なかった。


グイッ


ユウジ先輩の顔がいきなり近くなって、
吐息の温度が感じられるようになったかと思えば 唇は塞がれていて。


ユウジ先輩がそのまま抱き締めてきたから、俺も抱き締め返した。




もうやだ、幸せ。




長い長いキスが終わる。

「…ユウジ先輩?」


キスはそれ程珍しい事ではないのだが、ユウジ先輩から、という事に驚いていて。


「俺がプレゼント……っちゅープランやった、んやけど…やっぱ怒っとる?」


この先輩、やっぱ意味わからん。
やけど……
世界一愛しい。


「先輩だいすき。」


「えっ、あ、、おん!!!俺もっ、大好きやで」

どうやら甘い夜になりそうだ。




財前光
HappyBirthday!!



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