青い青い春






「雄歩、俺と付き合って」
「う、ん」


俺と鐘が付き合い始めて、二週間。発展などいまだなし。付き合う前と同じように一緒に帰るだけ。まあ、別にいいんだけど、付き合っている意味はあるのか?と最近思っている。そりゃあ、手を繋いだりキスをするだけが付き合うってことじゃないとは思う。だけど、やっぱり、鐘としたいなあって俺だって思うんだよ。鐘からは何もしてこないし、俺も何もしない。ただ、隣にいるだけ。寂しいなって思う。鐘は、本当に俺のことが好き、なのだろうか。
帰り道、いつも通り鐘の隣を歩きながら俺は考えていた。あれ、なんか自信なくなってきたかも。


「あつむ」
「ん?なに?」
「俺のこと、どー思ってる?」


鐘が俺のほうをちらりと見る。


「好きだよ」
「ほんと?」
「……なんでそんなこと聞くんだよ」
「だって、鐘何もしてこないし」
「あー、…えっと、」


鐘の顔が真っ赤に染まっていく。
あーわかった。鐘は何もしてこないんじゃなくて、何もできないんだ。要するにへたれってこと?


「鐘、こっち向いて」
「嫌だ。見られたくない」
「いいから、」
「…」


ちゅっ


「……っ!?」
「鐘、もっと顔が真っ赤になった」


背伸びをして鐘の頬にキスをした。
鐘は口元に手をあてて、俺のことを見つめている。
鐘、可愛いなあ。と言ったら「ばかやろー」と言いながら頭をばしっと叩かれた。だけど痛くもなんともない。







やっぱり、可愛い。










雀さんへ捧げます
(090712)




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