夏はやばい。うん、俺、理性とかいろいろぶっ飛びそう。 むんむんしている体育館の中で雄歩は汗を垂らし、他の部員よりも体力がないためもうすでに息が上がっている。その姿を見ておれは不健全なことを考えてしまった。うん、まあ、しょうがないよな。男子高校生だもの。好きな奴のあんな姿を見たら、うん、なるよな。 顔の汗を拭こうとして着ていたティーシャツの袖をまくりあげる姿を見て俺はもう、どうしたらいいのかわからなくなった。おまえ、自分のやっていることを分かっているのか!
「雄歩、」 「うん?なに?」 「そーいうの、やめてくれ」 「そーいうのってなに」 「肌を見せるなって言ってんの」 「はあ?」 「だーかーら、俺以外の奴に、肌を見せんなってこと!」
休憩中、雄歩に近寄り言う。雄歩は最初、目が点だったが、次第に話の内容が分かってきたらしく顔がだんだんと真っ赤になっていった。可愛いな、おい。
「えっと、その、うん」 「わかってくれた?」 「わかった、けど、」 「けど、なに?」 「それってさ、あれか?嫉妬、みたいなもん?」 「しっと…、………かもしんねえ」
俺の答えを聞いた雄歩がぷっと、笑い出した。
「鐘も可愛いとこあるじゃん」
お前のほうがよっぽど可愛いんだよばか!
斎木さんへ捧げます
(090609)
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