「只今より部活動紹介を行います。文化部につきましてはお手元のしおりをご覧下さい。それでは―…」


ぱらぱらとしおりを捲ってみる。イラスト部、写真部、書道部、茶道部…。
文字がぎっしりと詰められている。読む気失せます。私には無理です、それにこれは授業じゃないし部活には入らないし関係ないよネ!
そっと閉じると横から茶道部にでも入ってがさつなの直してきたら?とか言われた。
なめてる、いつか確実に潰してやる。
そう思いながら取り敢えずは足を思い切り踏み付けてあげた。
凄く睨んできているけれど気にしない気にしない。ざまあみろ。
それにしてもいいなぁ、バスケ部もバドミントン部も楽しそうだ。

運動は嫌いじゃない。寧ろ、好き。
バスケなら、スリーポイントとかが気持ちよく決まった時が最高。
バドミントンなら、ネットギリギリで相手コートに落としてやったとき。
…バレーなら、


「続いて男子バレーボール部の皆さん、お願いします」
「「お願いシアース!!」」


ナイスタイミング。男バレか、あ、さっきの人だ。概要説明してる。ああいうの緊張するよなぁ、正直自分が入学式でやった新入生代表挨拶かなりやばかった。
ってうわ、あの坊主の人パワーすげぇ。
体育館の中央を向いて2,3年生と向き合う形になっている今、目の前に座るのは5組だけで後ろに1〜3組。なかなか見やすい位置でラッキーだと思う。勢いがこうぐわーっと伝わってくる。
少し遠く、後ろの方から羨望の眼差しがバレー部に送られている気がする。
ここまで察せるオーラがあるの凄いな。振り向くと目を輝かせているのが二人もいた。


「月島は何か部活入らないの?」
「…別に」


感じ悪。有り得ん。どんだけこいつ私と会話したくないの?
それでもさっきまでとは何だか違うように見えて、私からすればバレー部をしっかり見ているように見えて、こいつなら凄いブロックかますんだろうな、とどこかで考えていた。





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