デイ
Jan.1
「お、坊や、00時00分だ。年が代わったぞ!」
「……………ああ」
「HappyNewYear!愛しの坊や!」
「……………ああ」
「また一年、愛を深めような!」
「……………ああ」
「さて、坊や」
「……………」
「年明けを祝して……新年一発目に激しく愛し合おうじゃないか!」
「てめぇ一分前に今年のシメだっつってハゲシくアイし合ったばっかじゃねぇかっ!!」
「はっはっはっ、それはそれ、これはこれだ。さあおいでマイハニー」
「ふざけんな!できるわけねぇだろ!寄るな!枯れろジジイ!!」
「はっはっはっ、枯れる時は坊やのナカでがいいな」
「死ね!!」
「はっはっはっ、イイ年にしような坊や」
Feb.14
「坊や、今日はなんの日か知ってるか?」
「…………知らねえ」
「ヒントをやろう。甘いもんを食べる日だ」
「…………知らねえって」
「恋人同士の甘いイベントでもある」
「………………」
「仕方ないな、教えてやろう」
「……いらねえって」
「恋人である坊やのことをチョコのように美味しくいただける日だ!」
「………嘘吐いてんじゃねぇよ」
Mar.3
「坊や、今日はなんの日か知ってるか?」
「…?いや?」
「女の子の日らしいぞ」
「……それが?なんか関係あんのか?」
「いや…ほら」
「?」
「都合のいいように特殊な悪魔が出てきて都合のいいように坊やを女の子に変えていく都合のいいイベントでも起きねぇかなー…と」
「おっさんマジで気持ち悪い」
Apr.1
「おっさん、エイプリールフールだな」
「あ?ああ、そうだな」
「おっさん、愛してるぜ」
「…………………」
「愛してる」
「…………………」
「多分、アンタが思ってるよりずっと」
「…………そうか」
「エイプリールフールだからな」
「……ああ、わかってるよ」
(嘘って前置きがなかったら面と向かって言えねえのかこのガキは…)
May.10
「ダンテ、今日はなんの日か知ってるか」
「あん?なんかあったか?」
「Mother's Dayだってさ」
「…………へえ」
「へえ、じゃねぇだろ。ほら準備しろ。出掛けるぞ」
「は?なんだ?どこに」
「墓参り」
「…………」
「ダンテの母さんのところ」
「………いや、それは」
「なんだ?俺はアンタのママに挨拶する資格がねぇってのか?」
「そ、そう言うわけじゃ…」
「じゃあ、顔見せにいこう」
「……………」
「……お礼が言いたいんだよ。アンタの家族に」
「…お礼?」
「俺に家族をくれてありがとうって」
「…………」
「な、デートついでだと思ってさ」
「そうだな。じゃあ、ついでにフォルトゥナにも寄って行くか」
「え?」
「あの街は坊やのママみたいなもんだろ。だったら俺も、礼を言わなきゃならないしな」
「……まあ、いいけど」
「よし、じゃあデートじゃなくてハネムーンだな」
「はいはい」
Jun.21
「Happy Father's Day.ダンテ」
「………は?」
「ほら、プレゼント、やるよ」
「あ?…ああ、ありがとう……ってなんだこれ?ネクタイ?」
「ああ、父の日には親父にネクタイを贈るんだってさ」
「坊や、それは完全にマニュアル……まあいいか。使うことはないと思うが大事にするよ」
「おう」
「で、根本的なことを聞いていいか?」
「ん?」
「なんでその、父の日に坊やが俺に贈り物をしてるんだ?」
「そりゃあ、アンタが俺の父親だからだろ」
「……はあ?」
「アンタは俺の父親で、母親で、兄弟で、姉妹で、祖父で、祖母で、息子で、娘で、最愛で、大切な家族だから」
「……………」
「俺に必要な家族は、全部アンタだから」
「……………」
「まあそれは、ちょっとした感謝の気持ちだ。たまには悪くねえだろ?」
「ああ、ネロ。俺は今ものすごくお前にキスがしたいんだが」
「ああ、キスだけな」
「坊や…」
「………………」
「………………」
「………ん?」
「………坊や、このまま良い話で終わると思ったんだが…」
「?」
「なんで背後に魔人が出てるんだ…」
「あれ?いや、コイツが勝手に…」
『…………………』
「…ち、ち、違うんだ兄貴、アンタからネロの親父の座を奪おうとしたわけじゃ」
『…………DIE』
end.
下半期に続く(・∀・*)←多分
(15/0625)