―朱鳥―(注意:この話は朱鳥がメインとなります。)
合宿中、うちは3話小説を書かなくてはいけなくて
半分自棄になっていた。
「せんぱ、い。紅茶です。」
温かく湯気の出ているコップがだされた。
顔を上げると、ちょっとはにかんだ亜良が見えた。
礼を言って一口啜る。
……………渋!!!
なにこれめちゃ渋い!
でもそれはうちがレモンも砂糖もミルクも加えていなかったからだった。(笑)
「一応12:00きたし、食事にしよう。」
なほちゃんの声によって、亜良と成留と葵が調理室へと向かった。
「葵〜メニューなに?」
「カレーか何かじゃない?」
葵は季語辞典から目を離すことなく言った。
でも、葵は春夏秋冬4つ合わせて季語は100ぐらい暗記しているから、
不要なんだけれど。
くしゃくしゃの表紙。葵にもいろいろあるんだ。うちも、びっくりしたけれど。
朱鳥と永久に比べればなんともないよ。って笑って言ってたけど、
うちは葵がうちより辛いと思う。
辛さを比べたって何にもならないんだけど。
30分ぐらいったったとき、大きな鍋を抱えて3人が姿を現した。
「梓〜。メニューなに?」
「ビーフシチュー。ちょっとおもいかなって思ったんだけど。」
梓の家は洋食屋を営んでいて、料理がおいしい。
白い器にいっぱいに盛り付けられたビーフシチューは
やっぱり梓がつくったのだろう。おいしそう。
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