「ねぇ、成留ちゃん。」
 友海がまた何処かへ遭難してしまい、美景が
探しに行ったときに、
クラスメイトの玲央ちゃんに声を掛けられた。
「なに?」
「水城さんたち2人の事どう思う?」
「え?」
 玲央ちゃんはちらちら水城姉妹の方へ
視線を送りながら聞いた。
「どう思う?って…普通のクラスメイトだけど。」
「そうだよね?! …でも、
朋とか綾華とかのグループは2人の事
あんまり良く思ってないみたいだから……」
 
玲央ちゃんが名前を出した2人はクラスの中心的メンバーで、
先生からの信頼も厚い。優等生というより、
根っからのリーダータイプ。
そんな2人が水城さん姉妹を良く思って無い
という事は信じられなかった。

「玲央〜」
「あ…じゃぁ、ね。」
「玲央ちゃん!」
「?」
「玲央ちゃんのグループって、その…」
 水城さん姉妹のこと、どう思ってるの?
その言葉がなかなか言えない。
玲央ちゃんはそれを分かってくれたみたいでふわりと笑った。
「大丈夫。梨佳も海羽も美佐緒も、2人とは仲がいいから。」
 女子は怖いから。何かあった時は手遅れってことも多いしね。
玲央ちゃんが言った言葉は胸の奥にちょっと刺さった。
その通りだって思ったから………

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