それからのことは、よく覚えていない。
みどねぇがいなくても、世界は回っていく。
だから、わしはみどねぇを忘れずに生きていこうと。
みどねぇの笑顔が。顔が。体が。匂いが。
わしから消えないように。
過去の幻影にとらわれてると、なにも進めないって、
誰もが口をそろえて言う。
それは、ほんまか?
わしは、こうして進んでる。
みどねぇの全ては、一切風化しない。美化もしない。
わしは、そう決めた。
海月がわしを頼ってくれるのは、うれしい。
でも、心がいたい。
海月の時折見せる顔が、みどねぇの最後の顔と重なるから。
だから。海月が
本当に愛せる人を見つけられますように。
みどねぇの分も、幸せでありますように。
わしの、願いや。
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