秀歌side2
現れたのは、女子生徒と男子生徒。走ってきたのか、息を弾ませている。
「ナル!!」
七瀬サンがナルという女子生徒に抱きついた。−犬みたい。(ポメラニアン?)
女子生徒は、七瀬サンの頭をなでていたが、男子生徒に肩を小突かれて、自分の状況を思い出したらしい。
はっと顔をあげて、わたしたちを見る。ネクタイの色から、1年生だということが分かった。
「すす、すみません!!永久が、ご迷惑をおかけして……!」
「む、ナル何故この女たちに謝るのだ?」
「いいから!永久も謝って!」
現れた女の子は、七瀬サンの頭を“ガッ”と掴みぶんぶんと上下に振った。
「ぃやー。。。」
「とわり、自分のケツは自分で拭かなきゃ。」
「小生やナルの前で、けけけ……けつとか言うな!」
「あー、もう!奏哉も茶々入れないでいいから!本当にすみません!!」
「あのー、漫才の才能は認めるから、この状況の説明をしてくれないかしら?」
葵依がしびれを切らしたのか、少々震えながら言った。
「葵依ちゃん、怒ってる?」
と鈴香が聞くと、紬も少々震えながら言った。
「否、ちがうな。笑いを堪えるのに必死なんだよ。ぶっ、くくく………。」
紬は噴出してるけどね。陸は隅で大爆笑してるし。あー、煩い。
「すみません、あたしの名前は井塚 成留といいます。」
「同じく、吉永 奏哉です。」
「それで、あの……永久のことなんですけど……。」
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