「もうにらめっこ的なことしなくていいから。」
「……にらめっこをしていたのではない。」
葵依の言葉に反応して七瀬サンが口を開いた。
葵依もそれに反応して、口の端を持ち上げる。この表情、絵になるから嫌なんだよね。
「七瀬さんだっけ?詳しく爆発騒ぎのことを聞かせてもらえないかしら?」
「嫌だ。」
………。
あぁ、そうですか。別にわたしは構わないけど、約1名、これで火がついちゃった。
ストップかけるのはわたしか芯か鈴香か紬なんだから。
面倒くさいことふやされちゃってもねぇ。
諦めてるわたしと、困ってる鈴香。
苦笑している紬と、無愛想だから何考えてんだかわかんない芯。
へらへら笑ってる陸と、黙ってる海堂さん。
誰も何も言わない、ただ“無”の世界が広がった。
そこに、一石がすぐに投じられた。
ガタッと音がして、立てつけの悪い扉が開かれた。
「??」
わたしたちは、ただ、そのドアのほうを見た。
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