―日向 紬―
芯が学校に来るようになってから2日経った。
明るい春の日差しが俺の目を刺してくる。
眠りから覚めて30分。まだ布団から起き上がれずにいた。
「紬ー。」
「頼。」
なかなか起きてこない俺に業を煮やしたのか、頼がやってきた。
双子の兄の頼は、憧れでもあり、なりたくないと願っている存在でもある。
「早く起きろ。」
「分かってるよ。」
頼とは少し時間をずらして通学するのも今は習慣となった。
「いつからだっけなぁ。頼と学校行かなくなったの。」
一人で話してみる。知らないよな。(笑)
まぁ、頼は頼なんだし、俺は俺。 結局、いつもの結論に落ち着いた。
「紬!」
「添都。」
「元気ねぇなぁ。もしかして、便秘か?」
「添都、今すぐそこの崖から飛び込んでくれるか?」
「ははは!冗談だって。」
添都とふざけあいながら校門に到着すると、爆音が聞こえた。
おおよそ、半径2キロには聞こえるほどの。爆音。
どう考えても平和じゃねぇよなぁ。
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