浮気性ダーリン(ゆびきり)
「そ、蒼真の馬鹿!!」
「ごめんって、謝ってんじゃんっ」
また蒼真に浮気されました。
約束したのに浮気されました。もう蒼真とは無理っぽいです。
あの日約束したのに…。もう俺しか愛さないって
暫くの間蒼真は浮気なんかしなくて、逆に俺に一途だった。
でもやっぱり浮気者は…浮気がくせになって…しまうのかな…?
下唇を噛み締めながら目尻に涙を溜めて蒼真を睨んだ
「もう、知らない!嘘つき!馬鹿!嫌い、大嫌い!!」
やっぱり信じちゃ、駄目だったんだ――
ベッドに置かれた荷物をわしづかみにして慌ただしく蒼真の自宅から出た。
蒼真、追い掛けてくれるかな…?なんて後ろを見たけど蒼真の姿は見当たらなかった。
これでわかった。
所詮俺は蒼真の「玩具」であって蒼真の「恋人」じゃなかったんだ。
でしゃばって「恋人」になったと勘違いした俺はかなり痛いよな…。
ゆびきり…したのに…。
零れそうにする涙を拭いながら千鳥足になりながらも歩いた
宛先はわからずただ、歩いた。
今は蒼真に、蒼真と会いたくないからとにかく蒼真の居ない遠い遠い場所を目指した
蒼真とゆびきりを交わした左手の小指が凄く切なかった
ゆびきりをした小指をぎゅっと掴みながら俺は歩いた。
「蒼真、破局だよ。今度こそ…な」
(蒼真はモテるから恋人とか結婚とか…困らないよな)
ゆびきりは所詮遊び事でしかない
―――――