レンマサ

「…おい、神宮寺」

「なんだい?」

「その恰好をどうにかしろ。目のやり場に困るではないか」

さっきから神宮寺は下着姿と破廉恥な姿をしながら部屋をうろつく。

それに自然と筆を持つ手に力が入る。
いくらフェロモンが有り余るからと言えども部屋で下着姿のヤツを見るのは良いものではない。

「なら聖川が着せてよ?」

「…なにをほざく。貴様が自分で着ればよかろうが」

「俺今までひとりで着たことがないんだよ」

「じゃあ、何故毎朝制服を着てるんだ」

口の減らない奴だな。とため息を吐けばこのまま裸でうろつかれると思えば頭が痛む。

立ち上がれば床に落ちている神宮寺の服を取り、羽織わせては釦を締めようと試みた最中。

「じ、神宮寺!!」

「なんだい?聖川」

「なんだいではない、何をしてる」

「なにって抱きしめてるのさ」

「離せ。俺は貴様に抱きしめられる趣味などない」

逞しい腕に閉じ込められれば微かに香る神宮寺の香りと小麦色の肌に長く伸びた蜂蜜色の髪が目に入った。

嫌だと胸を押すが神宮寺の力が勝り、逃げ出せない。そして神宮寺はこうささめいた



「昔から好きだよ、真斗」




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