落ち着いてるね | ナノ
年の割には




※ほんーーーのり、フォルパイっぽいところがございます。本当にほんのり。一瞬。


たまにはこういう賑やかな場所で息抜きでも、とアルムとルカは街の酒場に入った。

そこで酒を酌み交わしているフォルスとパイソンを見つけたのでアルムが二人に声を掛けると、フォルスが嬉々とした顔をして。

「親睦を深めるいい機会だ!一緒に飲もう」

なんて大声で言うものだから、二人は言う通りに同じテーブルについた。

アルムはエール、ルカは葡萄酒。それに酒の肴いくつかをウエイターに注文する。
程なくしてそれらが運ばれてきたので、4人で乾杯をした。

「おお!いい飲みっぷりだな!見ていて清々しいよ」

エールを一気に飲み干すアルムを見て、フォルスから感嘆の声が上がる。
アルムは軽く笑って「喉が渇いていたんだ」と返してから2杯目のエールを注文した。

「アルムくん、きちんと節度を持って飲んでくださいね。二日酔いしても私は介抱しませんから」
「そんな事言うけど、結局介抱するんでしょ?大将の事大好きだから」

飲み過ぎないように釘を刺すルカを、パイソンがニヤニヤしながらからかう。

するとルカはコホンと咳払いをして「パイソン、余計な事は言わないように」と忠告した。図星だったのかもしれない。

「それなら飲み過ぎても平気だな!ここは僕が持つぞ!どんどん飲もう、食べよう!」
「フォルス、いけません。きちんと…」
「年上の言う事は聞くものだぞ!」
「ひゅー!フォルスかっこいー。抱いてえー」

任せたまえ!なんて言いながらパイソンを文字通り抱擁するフォルスは完全に出来上がっていた。
ひょっとしたら、アルムとルカに声を掛けた時点でそうなっていたのかもしれないけれど。

「……フォルスとパイソンって、ルカより年下じゃないの?」

信じられないと言ったような目で、アルムはルカとフォルスとパイソンを順番に見る。
アルムの疑問に、一番最初に言葉を返したのはフォルスだった。酔いが回り、いやに勢いの強い口調で尋ねる。

「どうしてそう思ったんだい?非常に興味深いな!」
「だって、ルカの方が落ち着いてるし…。それに、よく二人の仲裁してるから」
「なるほど…」

言われてルカは思う。
確かに自分は年の割に落ち着いているとよく言われるし、パイソンがフォルスに小言を言われていると仲裁に入っている。
知らない者から見れば、年上に見えない事もないのかもしれない。

「まー、俺ら碌に年上らしい事してないからね。無理もないか」
「では、お二人には年上らしい所を見せていただかないといけませんね。
フォルス持ちでたくさん飲んで食べて、酔いつぶれたらパイソンに介抱してもらいましょう。ね、アルムくん?」

からから笑いながら言ったパイソンに、グラスの葡萄酒を一気に煽ったルカが微笑んで言う。

「はは、そうだね。年下らしく甘えよう。二人とも、よろしく」

アルムもまた、ルカに続くようにして2杯目のエールを煽った。
「どうしてそうなるわけ!?」というパイソンの抗議は、フォルスの「これが使命なら、果たしてみせよう!!」という大きな声にかき消された。





DLCで年下と聞いて驚いたので…。

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