べりーしょーとしょーと | ナノ
元ネタは
このツイートです140字に収めるためにところどころ端折ったけど大雑把なあらすじはこんなかんじ
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アルムくんが書いたサンタさんへのお手紙を見たマイセンじいちゃんから相談を受けるノレカせんせい
ほしいものはノレカせんせい
じいちゃんは無理なんじゃないか的な事を言ったけど大泣きするので変更はききそうにない どうするノレカせんせい!?
お願いを叶えるためにクリスマス当日…には無理なので、週末にアノレムくんのおうちにお泊まりをすることになったノレカせんせいであった
BLはファンタジ〜〜〜
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自分の眠るベッドの中。隣にはなにか温かい塊。その“なにか”が動く気配がして、ルカはぼんやり目を覚ました。
「わあぁぁああ!!ルカせんせいだ!ほんとうにルカせんせいがいる!」
興奮した子供特有の、悲鳴に近いような声で飛び起きた。
それとほぼ同時。のしかかるように抱き着かれて、ルカはふたたび寝具に沈んだ。
まだあまり回らない頭で周囲を見てみれば、寝ている場所も自宅のベッドではなく布団。部屋にも見覚えがない。
(そうだ。昨日の夜からアルムくんの家に…)
アルムはルカが勤めている幼稚園の教え子だ。
元気でたくましく、時々やんちゃもする。しかし誰に対しても分け隔てなく接する心優しい性格で、手に余るような問題を起こした事は全くなかった。
そんな彼がクリスマスプレゼントに望んだのは“ルカせんせい”。言うまでもなく、自分だ。
顔を合わせれば「ルカせんせいルカせんせい」とくっつかれていたので嫌われてはいないと思っていたが、まさかプレゼントに望まれる程とは思ってもいなかったのだ。
アルムの祖父であるマイセンは当然「サンタさんもルカ先生も困るだろう」とやんわり断り、プレゼントの変更をさせようとしたのだ。……が、手が付けられないほど大泣きしてしまい、困り果ててルカに相談を持ち掛け、アルムの希望にできる限り歩み寄った結果がこの“お泊まり”である。
「アルムくん、おはようございます」
「せんせい、おはよう!」
頭を撫でて挨拶をすれば、満面の笑みで勢いよく返されて。
「今日はいつもよりとっても元気ですねぇ」
「きょうはルカせんせいとずっといっしょだから!ねね、なにしてあそぼう?!あ!あとね、あさごはんね、じいちゃんにおねがいして、せんせいのだいすきなあまーいジャムをかってもらったんだ!おちゃにいれる、はちみつもあるよ!」
「まあ、それは楽しみです。早く食べられるように、おじいさまのお手伝いに行きましょう」
「うん!!」
返事をするとすぐに着替えを始めたので、ルカもそれに倣う。
キラキラした顔で着替えの完了を告げてきたアルムの周囲に、脱ぎ散らかされた服が落ちているのはご愛嬌だ。
こっちこっちと手を引かれながら洗面台で顔を洗い、またまた手を引かれながら台所へ。
朝食の準備は終わっているようで、室内はパンの芳ばしい香りが漂っていた。アルムの言っていたとおり、食卓にはジャムや蜂蜜が並んでいる。
実のところ、自分は料理に関して役に立てる自信が全くなかったので救われた。
「先生、お早うございます。この度は孫が本当にご迷惑を…」
「おはようございます。こちらこそ、こんなに素晴らしいおもてなしをいただいて」
顔を合わせたマイセンは心底すまなさそうに声を掛けてきたが、可愛い教え子が嬉しそうにしているのを見れたので気にしないでほしいと告げれば、安堵の表情を浮かべた。
「ルカせんせいはぼくのおとなりね!パンどれがいい?ジャムのせてあげる!」
「ふふ…ありがとうございます。このパンにしましょうか」
「わかった!」
選んだパンを皿の上に載せてやると、アルムはスプーンでジャムを掬い取りパンの上へ載せていく。
スプーン1、2杯で終わると思いきや、ジャムが皿の上にまで溢れてもまだ止まる気配がない。
これにはさすがのルカもストップをかけた。
このときのジャムの量がルカへの好意と比例していたなんて、彼は思ってもいなかったのだった。
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