パチリ、パチリ。生徒会室で書記のみょうじと二人、二週間後に行われる生徒総会のプリントをホッチキスで綴じている時に、みょうじが「佐伯ってさあ」と口を開いた。
「うん?」
「AV出てそうだよねえ」
バチン、グシャリ。予想しなかった言葉に手元が狂ってプリントがズレた。
「おま…それってどういう…」
「ああ、違うよ、アニマルビデオね」
「ああそっち………ってそっちもどうなんだよ。アニマルなのに俺出てたらおかしいじゃないか。あ、虎だからってこと?」
「その発想はなかったわ。ただ単に佐伯が動物とふれあうDVD売れそうだなって思って」
「そうかぁ…?」
「売れるよ絶対。もふもふ動物と爽やかイケメンがふれあってたら癒されそうだもん」
「ふーん…?みょうじは買う?」
「ねーな」
「ハハッ、言っておいて?」
「下手に知ってる人だと居た堪れなさそうじゃん?」
「ああー」
「まあうちの学校の子たちは普通に買う子多いだろうけどねえ…」
パチリ、パチリ。そうかなあ、と相槌を打ちながらも手を動かしていく。綴じ終わってるのは十分の一程度だけれど、まだ配布までには日にちがあるし今日はたまたま人出が少なかっただけなので、そう焦る必要はない。期限までには十分間に合うだろう。
「佐伯ってさあ」
「うん?」
「やっぱりAVにも出てそうだねえ」
バチン、グシャリ。
「…やっぱりって?」
「アダルトなほう」
「いや…。俺にどう反応しろと…」
「そうだろ?とか」
「いやいやいや。っていうか出てそうじゃないだろ全然」
「いやあ、出てそう。女の子向けのやつ」
「…女の子向け?」
「知らない?女の子向けのはイケメンといちゃこらするんだよ」
「へえ…。どっちにしろ反応し辛いけどね…」

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