「私が、貴女を…淑女に───?」




目が点に、口が開き、耳を疑った。
信じられないというか、意味が分からなかった。




「あぁ、たの──」

「嫌です。」

「そうか、そうか………って、あ゛?!」




ダンッと机を勢いよく叩いた彼女は眉間にシワを寄せながら私を睨んだ。




「なんでだよ!」

「淑女なんてものはなろうと思ってなるものではありません。」

「じゃあ……」

「常識のない貴女には無理です。」




『じゃあ…』の後に何を言おうとしたのかは検討も付かなかったが、どちらにせよ彼女には無理だと思った。
どこか捻くれている言い方や、ましてや髪を染めているなんて、論外である。




「校則違反をしている人が淑女?」




『…有り得ないですね。』と言ってそっぽを向いた。
我ながらなんて紳士らしくない態度に、少々呆れた…。




「てめぇ……さっきから言わせておけば……!」




先ほどから眉間にシワを寄せている市ノ瀬さんの顔が般若のようになっていく。
あぁ、これが例の番長と噂されているアレですか。




「あぁ!分かった!私に口答えしたこと、後悔させてやる!」

「後悔したいものですね。」

「…てめ…覚悟しやがれ!!」




そういって人差し指を私に向け(人を指差してはいけません)、部室から去って行った。




『どうも、好きになれませんねあの方は。』




呟いてラケットを握った。





噛み合わない関係
(犬猿の仲、やな)
(まぁ番長と紳士、だからな)







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番長てwww爆

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