「さっむーい…」
「雪降ってるのに、マフラーもしないで出て来るからだよ。」



洸の家から数分歩いたところにある、公園に来ていた。
彼の家でいつものようにくつろいでいた私は、外の光景にびっくりした。
今年、初めての…雪だ…!



『洸!雪だよ!外出よ!!』
『え、あ、凪冴っ!』



はく息が白くて、子供みたいに楽しくなってしまう。
一人で舞い上がって、公園までかけてきたのは言うまでもない。



「って言う割には、ちゃっかり自分だけマフラーしてんだね。」



洸の首元には温かそうなマフラーが。
マフラーしてくるなら、私のも持ってきてくれたらよかったのに…。



「考えて行動しないからだよ。……本当、子供だよね、凪冴って。」
「子供っていうな!」
「はいはい、“お子ちゃま”。」
「洸!!」



子供扱いされて、怒った瞬間…首元にフワッと感触があった。
彼を見ると、さっきまで羨ましがっていたマフラーがない。
それは…。



「え、洸…?」
「風邪ひかれたら困るしね。」



洸のマフラーは私の首にあった。
すごくあったかい…。



「でも…洸が……!」
「いいの、俺は。全然寒くないし。」
「本当…?」



ニッコリ笑う洸にホッとする半面、寒そうな首元を見ると申し訳ないように感じる。
ゆっくり洸の目を見ると、私の肩を抱き、グッと抱き寄せた。



「ホント。まぁ寒くなったら凪冴の温もりわけてもらうかr…」
「それだけ頭が春なら心配ないね。」



そんなことばかり考えているのか、この男は…。
むす、とすると頭をポンポンと叩かれた。
そのまま洸は『何か飲む?』と言いながら、自販機の前に立った。
『いらない』とそっぽを向いてツンとした。
子供扱いするヤツなんか知らないっ!



「なーに、怒ってんの?」
「怒ってないもん!!」



そのままそっぽを向いていると、頬がジワッと温かくなった。



「ひゃあ!ビックリしたー」



頬に当てられた温かい缶コーヒー。
白い湯気が立ち上がり、コーヒー独特の香ばしい香りがする。
……いいなぁ…。



「ん?何、飲みたいの?」
「……………やっぱ、一口だけ…」
「はい。」



彼は優しく笑うと、私に缶を渡した。
半分くらい減っているソレは、飲みやすい温度になっている。
コクリと飲むと、隣でニヤニヤしている洸。



「な、何ニヤニヤしてんの?!」
「間接キス、だよね。」
「!!!!!????」



そうか、半分減っているということは、洸が飲んだと言うことで、私はそのあと飲んだから───……!
一気に顔が熱くなった。



「気付いてなかったとは言わせないからね。」



そのニヤついた声に無駄にドキドキしてしまう。
は、恥ずかしい……!!



「続き、しよっか?」



そういって彼は私を抱き寄せ、

体温を確かめるように口づけをした──。


静かに降る雪の中で…。




間接キスのつづき
(俺が大人にしてあげる)





************
唯様リクエストの洸夢でした!
久しぶりのモノクロ夢…!
洸ってこんな喋り方だっけか…(´・ω`)


企画参加、ありがとうございました!!
これからもよろしくお願いします^^



 
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