「洸なんて、大っ嫌い!!!」



そう言われて、『ふーん』と素っ気なく答えた。
『他に言うことないの…?』と寂しげな視線を送ってくる。



「ねぇ、嫌いって言ってるんだけど…」
「何、凪冴。寂しいの?」
「べっ、別に寂しいとかじゃないし!!洸なんて、大嫌いだし!!」



そう言ってフイッとそっぽを向く彼女。

気になるらしく、俺をチラッと見た。
偶然目が合った俺と彼女。
凪冴は『見られてしまった!』と言わんばかりの顔をしていて、笑いが込み上げてくる。



「ぷ…くく……、やっぱ寂しいんじゃん。」
「な…!/////ち、違うもん!嫌いだもん!」
「はいはい。…で?俺のどこが嫌いなの?」



ニヤリと笑ってから凪冴に質問した。
『洸の…嫌いなとこ、嫌いなとこ…』とブツブツ言いながら部屋をグルグルしている。
その行動は、嫌いなところがないと言っているようなもので、表現の不器用さに呆れると同時に、何だか心が温まった。



「かっこつけるとことか、私のこと子供扱いするとことか、優しいとことか、面倒見が良いとことか、料理が上手いとことか……」


次々と、あまり悪口に聞こえない悪口を言う凪冴。
『それから…』とボソッと言うと、目をそむけ、少し顔を赤らめていた。



「……私を構ってくれないところ…とか…///」



な、何この子超可愛い!
少し頬を赤らめて、また少し上目遣いなんて。

あぁ、もう…!

俺は反射的に彼女を抱きしめた。
そのまましばらく抱きしめると、凪冴は初めこそ暴れていたが、今は大人しく俺の腕の中にいる。



「凪冴って、ツンデレだったんだねぇ」
「つっ、ツンデレ?!それは昶でしょ!」
「ううん、アキはツンテレだもん。」
「……あー、そう」



彼女は、もう一度プイッと顔をそむけ、黙り込んでしまった。
俺に構って欲しくて、気にして欲しくて『大嫌い』って言ったってこと、知ってるよ。
これだけ俺の事を知ってくれる女の子がいるのに、好きになるなっていう方が無理でしょ。



だからさ、



少しは素直になって俺のこと真っすぐ見てほしいな。






残念ながらべた惚れ
(俺の事、好きなくせに〜)
(は、はぁ?!べ、別に、だだだだだだ、だ、大好きじゃないし…!!///////)
(俺、"大"好きなんて言ってないけど?)





お題@確かに恋だった
*************
遅ればせまして…
玖堂様リクエストの洸夢でした!
無駄に時間がかかってしまい…
すみませんm(_ _)m

お持ち帰り&転載は、玖堂様のみです。





 
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