久しぶりの休みの日に私は洸の部屋に入り浸っていた。
「ねぇ、洸!」
「…何?」
私が話しかけても、そっけない返事しか返ってこない。
というか、雑誌から顔を上げようとしないのだ。(なんの雑誌かは、追求しないけど)
それに…何だか元気がないように見える。
「見てみて、この雑誌!」
私が今まで読んでいたファッション雑誌を洸の前に出す。
そのページには【☆気になる相手と相性占い☆】と大きく書いてあった。
「……これがどうかした?」
「…う…うん、私と洸、相性抜群だってさ!」
「ふ、…ふーん…」
いつも、こういう話には飛び付いてくるはずなのに。
横目でチラリと見るだけだ。
直ぐに、雑誌で顔を覆ってしまう。
……あきらかに様子がおかしい。
「…何、洸さっきから変!」
「べ、別に変じゃないよ。」
「ほら、どもってる。何か言いたいことがあるならハッキリ言って!」
そういいながら、洸の雑誌を取り上げる。
どうやら、アクセサリーの雑誌だったようだ。(よかった)
その雑誌と私の雑誌を重ねて机に置く。
洸は黙り込んだままだ。
…洸の表情を見ていると、不安が過る。
実は、私の事が嫌になったとか。
一緒にいたくないとか。
悪い予感ばかりが過っていく。
「……何よ、じ…実は私の事が嫌いになったとか。そういう理ゆ……」
「何言ってんの。俺が凪冴を嫌いになるわけないだろ。」
即答された。
私の目を見て断言する洸。
その目に少し安心感を覚えた。
「じゃあ、なんであんなにそっけなかったの?」
「それは、……お前が可愛すぎたから。」
……今なんと?
『カワイスギル』?
なんでそれがそっけない行動に繋がるのか。
まったくもって、分からない。
「…はぁ?!」
「だから、あんな笑顔で話されて直視出来なかったんですー。」
目線を反らし、恥ずかしそうに意地を張る洸を見ていると、こっちも余計に恥ずかしくなる。
…不思議だ。
「な、何その理由!付くならもっとましな嘘を…」
「嘘でこんな事言わないよ。」
さっきの照れ顔とは違い、フッと軽く笑みをもらしていた。
気付くと洸の手が、私の頭を撫でている。
一気に顔が赤くなった。
ゆでダコ状態だ…、と思いながら洸の目を見る。
すると、少し驚いた表情をして、それから私の肩に顔を埋めた。
「?…洸…?」
「もーダメ。俺、限界。」
そう言うと、洸はグッと自分の体重を乗せてくる。
そのせいで、私は後ろに押し倒される形になった。
あれ?何、この状況。
「え、ちょっと…洸?!」
「凪冴が悪いんだからね。可愛いことばっか言って、俺もう理性押さえられないんだけど。」
そう言いながら私に口付けをする。
何回も唇を重ねていると、ふと洸がポツリと言った。
「俺をこんなふうに出来るの、凪冴くらいだからね?」
その笑顔、反則だから。
(いただきます☆)
(☆付けても全然可愛くないから!)
*****************
お題@確かに恋だった