『うるさい……』と言いたげな彼は眉間にシワが寄っていて、片手にある本をめくるのが段々早くなっている。
「テレビ、見てないなら消せ」
「ヤダ!これからあの人が出るんだもん」
そういって私はチャンネルを遠ざけた。
という私はテレビをつけっぱ無しで雑誌を読んでいる。
私の部屋なんだからいいじゃない。
珍しく私の部屋に来た蓮二はテレビが気に入らないそうだ。
「あの人?」
「きゃー!でた!でた!かっこいい!」
テレビには私の好きな俳優が。
"かっこいい"を連発するといきなり画面が真っ暗になった。
「蓮二……何すんのよ」
「別に」
「別にって何……」
乗り出した私の顎を掴み、唇を塞いだ彼は何事もなかったような顔をしている。
「何よ」
「なんとなく」
「もしかして……」
私が雑誌を閉じると、蓮二は少し離れた。
「嫉妬!?嫉妬なのね!!」
「うるさい。悪いか」
「全っ然、悪くない!」
「こら、」
私が彼に飛びつくと、本を閉じた。
その本で私の後頭部を叩く。
「いたっ!」
「離せ」
「蓮二、大好き!」
私は彼の首に手を回して引き寄せる。
そのまま頬に触れるだけの軽いキスをした。
「お子ちゃまだな」
「芸能人に嫉妬する蓮二に言われたくないわ」
お子ちゃまと嫉妬
(そんな貴方が好きなの)
(そんなお前が好きだ)
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アンケリク第4弾!!
嫉妬、ヤキモチな蓮二←
だんだんキャラがわからなくなってきたぞ……?
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