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6月4日




『明日の部活、1時間遅れだからよろしく!』




昨日、そんな電話がかかってきた。
『分かった』と答えたが、なんとなく予想はついていた。
部室の前に立つと、たくさんの話し声が聞
こえ、俺はドアにそっと手をかけた。
1時間遅れた理由…確率では、3%が精市の気分、7%が学校の都合、そして90%が───




「「ハッピーバースデー!蓮二!」




パンパンッとクラッカーが鳴り響き、俺の頭や肩に無数の紙が乗る。
90%がサプライズ…予想は的中のようだ。




「……」




黙っていると、若菜がニヤニヤしながらこちらへ歩いてきた。
ニヤニヤがうざい。




「ムフフ、驚いた?誕生日おめでとう!」




6月1日から今まで、分かりやすいように動いていた彼女。
見ようとしなくても、目に入ってしまうのだ。
驚くわけがない。




「……」




黙っていると、彼女は嬉しそうな顔から一変して不安そうな顔をした。




「蓮二、…迷惑…だった…?」

「どうしてそう思う?」

「楽しそうじゃないから…」




その時誰もが『柳の楽しそうってどんなの…?!』と思ったことは若菜は知るよしもない。


俯いたまま顔を上げない若菜の頭に手を乗せると、遠慮がちに顔を上げた。




「すまない、楽しそうにしているつもりなんだが…。」

「ほんと?」

「あぁ。」

「じゃ、ビックリ…した?」

「…あぁ、驚いた。」




答えに満足したのか、彼女は軽く跳びはねた。




「やったぁ!サプライズ成功ぅ!」




笑顔な若菜を見ると、自分が幸せ者だと改めて実感することができる。
自分の誕生日にこれほど楽しそうにされるのは初めてかもしれない。




「蓮二さ、何が欲しい?」

「欲しい物…?」

「勝手に買って使われないのもやだし、だったら聞いておこうと思って!」

「賢明な判断だな。」




彼女は俺を見上げながら、ふふっと恥ずかしそうに笑った。
俺はそんな彼女の頬に手を当て、




「遠慮なく、貰うとしよう。」




そう言って唇を重ねた。










誕生日おめでとう!
(本当はバレてたんやろうな)
(蓮二ってば、朱鷺原には甘いんだから)






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一週間以上過ぎてしまいました。
すみまれんじorz
はい、ちょっと死んできます。

蓮二大好きだよ!
大好きすぎて幸せです((




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