「真田ー!帰ろ!」

「あぁ、少し待っていろ。」





そう言われて下駄箱で大人しく彼を待つ。
今日はミーティングだけで終わったそうで、久々に一緒に帰れる。
最近はテニステニスで、忙しかったみたい。





「待たせたな。」

「ううん!」





日が落ち始めていて、辺りはオレンジ色になっていた。





「最近、忙しかったみたいね?」

「あぁ…そうだな。……怒っているか…?」





不安そうに言う彼がなんだかおかしくて、思わず吹き出してしまう。





「ははっ…真田は心配しすぎ!私はテニスしてる真田も好きなんだから、怒るわけないでしょ!」

「……朱鷺原…」

「だから、真田の脳内が10割テニスで出来てても、私があんたを好きなのは変わんないもん。」





テニスで忙しいのも、分かってる。
けれどテニスに対して真剣な彼を好きになったのも事実だ。
自分の健気さに、我ながら感心する。





「……すまん。」

「あー!もー!謝んないで!」

「すま…………分かった。」





『すまん』と言いかけた彼をキッと睨むと、言葉を変えて『分かった』と言った。
私は軽く伸びをして、彼に向き直る。





「明日も部活?」

「ああ。」

「頑張って…ね…。」





私はマネージャーでもないし、幼馴染みでもない。
一緒にいる時間も……、ましてや一緒に帰る時間もほとんどない。
そんなのは重々承知だった。
ただ、一緒にいる時間が短いからこそ彼の力になりたかった。
私にできることは……───





「…真、田……。」

「どうした。」

「…好きだよ。」





私にできることは…ただ、彼を想うこと。





「俺も…、だ…。」

「…ふふっ、真田、顔、真っ赤…!」

「かっ!からかうな!た、たるんどる…!」





いつもは一人で帰るこの夕焼けも、今日はなんだか優しくて暖かかった。







夕焼けはときどき優しい
(もう少しだけ、彼と二人で…)







************
4日遅れのさなたん。
無…理…orz
無駄に難しかった。

私は真田を書くのが一番苦手です((笑




 



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