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『ありがとうね、柳くん。あの子ったら…』

『いえ。マネージャーの仕事も頑張ってくれていますから、このくらい。』

『…そうねぇ、柳くんみたいな人と結婚してくれれば心配ないんだけど。』

『………え?』

『あらやだ、私ったら。ごめんなさいねぇ。おばさんのちょっとした好奇心よ、気にしないで。』





会話の間に、バタバタと駆け足で階段を降りる音が聞こえた。
俺の方を見た若菜は、キョトンとした顔でこちらを見ている。
見慣れていない光景に驚いているのだろう。





「用意は出来たか?」

「う、うん。」





返事をした彼女。
俺はそのまま彼女の元へ足を進めようとした。






『…いつか、挨拶に来ますから。』

『……え?』






疑問符を付けて、次の瞬間ふふ、と笑う彼女の母親。
若菜は不機嫌そうに今にも拗ねそうだ。
俺はまた一歩踏み出した。





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あんなこと話せるわけがない。
言えるわけがない。
と、心の中で否定し続ける蓮二だった。





「なんで教えてくれないのっ?」

「…そうだな。いつかは教えてやる。」

「いつかっていつ!」






半信半疑な私をよそに、空を見た彼。
すごく先の事を考えているようで…
私は空を見ている彼を見た。





「……10年くらい先、かな。」





そういうと私の顔を見て微笑んだ。





そして、いつの間にか彼の右手と私の左手が重なっていた。









甘いよりもしあわせな
(未来を願う)




(子供は二人だな)
(なんの話?)
(10年後の話だ。)







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若菜さんのママンに言われて結婚を意識してしまう蓮二くんです。
まだ中学生なので、考えなくてもいいんですがね。
未央様、28000キリリクありがとうございました!

お題@確かに恋だった


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