「おはよう、朱鷺原。」
「あ、おはよう、幸村くん。」
今日はクリスマスだ。
目の前の幸村くんが持ってる袋にはプレゼントらしきものが見える。
朝から渡されたのだろう。
…私なんかが渡したら、迷惑だろうか…。
「朱鷺原、どうかした?」
「あ、いや、何でもないよ。そう言えば、今日はクリスマスだね!」
あははー、と誤魔化したつもり。
でも幸村くんは、あまりいい顔はしなかった。
「…あんまりクリスマスって感じがしないな…。」
「なんで?」
「だって、君からプレゼント貰ってないから。」
ビクッと肩を竦めると、彼はいつも以上に綺麗な笑顔(怖い笑顔ともいう)を私に向けた。
しぶしぶ、鞄からプレゼントを取りだし、渡す。
彼は、『フフフ、何が入ってるのかな?楽しみだ。』と言葉通り楽しそうだ。
いつもより軟らかい視線がいつまでたっても、離れない。
幸村くんが私の頬にそっと手を添えた。
「でも、俺はこっちのほうがいいな。」
そういって、彼は…私の唇をふさいだ。
HappyX'mas
(プレゼントには君を頂戴?)
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幸村編
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