[act.10] 「いいじゃん、ね?」 彼は水道で顔を洗っていた。 真夏とはいかないが、そろそろ夏休み。 スポーツをしたら、いくら蓮二でも汗くらいかくだろう。 ってか、その前に長ジャージ脱げよ、暑苦しい。 「暑苦しくて悪かったな」 「ひぃい!勝手に心読まないd…っぁ!!ウソです、今のはウーソー!!」 「隠しても無駄だ。口に出ていたぞ」 冷や汗を思いっきりかいて、わたわたした。 彼は全くもって平然としていた。 もしかして、ずっと言われてたのかな? 蛇口を絞めた彼に向ってタオルを差し出す。 「で?何がいいんだ?」 タオルで顔を拭きながら、水道から私のほうに向きなおった。 「いや、だから――……」 . . . 一通り話終えると、口を固く結んだまま黙っている彼。 「っていうこと。ね?協力しようよ!」 「却下」 『なんで』と聞こうとする前に、蓮二は後ろの茂みに向かって言葉を発した。 蓮二もとうとう頭のネジが…… 「いい加減にしろ、貞治」 「え?」 頭のネジが…とかいってごめんなさい。 言葉通り茂みからぬっと乾さんが出てきた。 しかも不敵な笑みを浮かべている……こわい。 「ふっふっふっふっふ……今の話、聞かせてもらった!」 ガサガサ、と音をたてながらこちらに歩み寄る。 蓮二はというと、物凄くめんどくさそうな顔をしている。 「で、用件はなんだ」 「朱鷺原さん、俺は協力しよう。いや、させてくれ!」 「本当ですか?!」 うわー、さっき………というか現在進行形で気持ち悪いと思ってしまってすみません。 乾さん、やっぱりいい人! 実を言うと乾さんは、常々海堂くん達のことをどうにかしたいと思っていたらしい。 「海堂くんも、好き──なんですよね?」 「あぁ、データ上はね」 「データ上は?………」 「海堂は気付いてない。だからやっかいで──」 乾さんと話し込んでしまった。 後ろを振り向くと、蓮二の背中が見えた。 「あ、ねぇ!ほんとに協力、しないの?」 「しない。やりたいなら勝手にやっていろ」 そのまま去っていく彼に向かって、口を尖らせた。 なんて冷たい人なんだ。 まぁ、私には乾さんがついてるし! 困ることはなさそう! そして、"後輩の恋を応援し隊"が 結成された土曜日の午前。 まっただ中 にある! (青い春を謳歌しています!!) ********** 珍しく空気な蓮二www 数ヶ月ぶりの更新! 申し訳ないです……… 実を言うと、携帯を変えてから いつの間にか、SDに入っていた下書きが全て消えてしまって、一から書き直しということに…… はい、言い訳です申し訳ない;; では 今年も更新率はどうなるかわかりませんが、頑張って更新しますので、よろしくお願いします^^* 2012/01/12 |