「朱鷺原ーー!!!」
「…………」
ミーティングだけだった部活も終わり、皆帰った頃──。
ブン太の声が聞こえたような気がした。
私はボーッとしながら掃除道具を片付けていた。
「ありゃーダメやのぉ」
「生きる屍って感じだね」
「さっき話し掛けたら完璧スルーされたぜぃ……」
抜け殻のような朱鷺原を見て、三人の部員は同じようにため息を着いていた。
先日、あのような事があってからずっとこの状態だ。
「あ──うん、でしょ。分かる分かる」
幸村達が話しているのを上の空で聞きながら歩いていると、校舎の方から聞き覚えのある声が聞こえた。
この声は…
「(──麗華……ちゃん?)」
「えー? やっぱり? あの女よりあたしの方が──……」
あれ…?なんだか違和感を感じる。
いつもの麗華ちゃんらしい話し方ではない…。
一体……。
「だから、あの女だって! あの朱鷺原って言う……──」
「(……え?)」
私……?
「そうそう、すごい邪魔だったから、潰してあげたよ。──あたしじゃなくて、柳先輩が直接言ったのよ。
……まぁ、そうよね。柳先輩みたいな人に、あんな馬鹿女、釣り合うわけがないわ。
しかもあいつ、あたしが主犯って気付いてないのよ。ほんと、馬鹿よね」
主……犯…………?
ちょっと……何が起こったのか分からない。
頭の中がごちゃごちゃしてしまう。
ここは一回離れて考えよう。
そう思って動いたのが運の付きだった。
ジャリ…
「誰!」
「あ……えーと……」
「……。」
「……麗華ちゃん……。今の話……」
「朱鷺原……先輩」
next→
←back