ガチャッと入ってきたのは赤也のぶっ飛ばす対象兼、若菜の想い人。



「やはり、お前達か。」
「「柳(先輩)?!」」







ふぅ、とため息を着く柳に皆は唖然としていた。



「今日の部活はないと言ったはずだろう?」
「「あ…そう言えば。」」



またもやハモり、一斉に思い出す。
柳は二度目のため息を着き、若菜を叱る。



「マネージャーのお前がこんなことでどうする。全く、呆れたものだ。」
「う゛……。そ、それが彼女に言う言葉?!もっと違う言い方にしてくれたっていいじゃん。」
「あ、朱鷺原。教室に戻って俺の鞄を持ってこい。」



コイツ…聞いてない!!!
今のやり取りを聞いていた赤也は、信じられないような顔をしていた。



「…朱鷺原先輩と…柳先輩が…?嘘…」



だってだって!
朱鷺原先輩は柳先輩の犬で、朱鷺原先輩は好きでも柳先輩は嫌いで…
だけど、付き合って…両想い?!



「やだ!彼女に頼むときはもっと優しくしてくれなきゃ!」
「さっきから、誰が彼女だ。」



いつも若菜を弄るトーンでフッと嘲笑うのはやはり、柳だ。


「誰がお前を彼女にすると…?勘違いも甚だしい。」
「え?!」
「まぁ、そろそろ犬からは卒業だな。」
「やった…「次は下僕だ。」



げ…下僕…!?
傍観者(仁王と丸井)が『朱鷺原、可哀想だな』と思っている内に赤也は食いついていた。



「だったら、朱鷺原先輩、俺と……」



バッと詰め寄ろうとした時には、若菜は既に背を向けていた。
すると隣の柳が声をかける。



「朱鷺原、何処に行くんだ?」
「何処って…鞄取りに行けって言ったの柳でしょ?!」
「そうか、いい子だな。」


そう言うと、振り返っていた顔がたちまち赤くなる。
手をバタバタさせて、あたふたする彼女は他から見ると変な人物で。
歩き出したかと思うと、右手右足が同時に出ていた。



「なんだアレは、面白い生き物だな。」



そういって軽く笑うと、赤也が柳をジッと見ていた。
『どうした?』と聞くと、赤也は一呼吸おいて言葉を発した。



「あの、俺…朱鷺原先輩の事……」
「赤也。」



後輩の言う言葉を遮るように、ワカメ頭に手を置いた。
くしゃっと軽く撫でる。



「すまないが、アレは譲らないぞ?」



そう言って去っていく柳を見ながら、赤也は固まっていた。
複雑な気持ちで。ジッとその場に立っていた。



「譲らないなら、奪うだけッスよ。」



長身の先輩に対してボソッと呟いて、ニヤァと口元をつり上げた。






この気持ちは止められない
(相手が柳先輩でも、俺は…──)





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柳vs赤也ってなんか可愛くないですか。
私の趣味です、サーセンwww



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