その後

仁王は柳に『どこ行くんじゃ?』と聞くと、『図書室だ』と返ってきた。
そこですかさず、丸井のツッコミ。



「朱鷺原って、今柳が図書室にいること知らねぇよなぁ?」
「…あ。」



丸井の言葉も虚しく、柳はもう学校へ入っていった。
一方若菜は……



「だー!!柳何処にいるんだー!?」



部室の前には誰もいなかった。
教室にも、生徒会室にも、職員室にも…。
しかもヤツの鞄が重いのなんのって。
ガリ勉か!!
と、罵ってやりたい衝動にかられたが、そんなこというと後が怖いので、やっぱり止める。
柳の場所を考える。
データマン、と言えばデータ。データと言えば本?本と言えば…辞書?辞書と言えば……!!



「図書室?!」



っていうか、本で気付け、自分!
バタバタと走って図書室へ向かった。



「柳の馬鹿!」



怒声と一緒に入ってきたのは先程、下僕に格上げされた彼女。
呼ばれた柳は席を立ち、分厚い本で若菜の頭を殴る。
ゴツっと変な音がして、彼女は静かになった。



「図書室だ。大声を出すな。」
「だ、だって!図書室に居るとか分かんなかったんだもん!」



小声でそう言うと、『まるで忠犬だな。』と柳が笑った。
いまだに犬から抜け出せない事に、落胆する。



「帰るぞ、忠犬。」
「忠犬って…いや、ってか、帰るって…?」
「…何だ。」
「いえ!あ、でも私、鞄…」
「持ってきてないのか。何のために取りに行かせたと思っているんだ。早く取ってこい。俺はそんなに暇じゃない。」



その言葉を聞いて、表情が明るくなる。
言い方は不器用だけれど、一緒に帰ろうって事だよね!!!



「うん!!」




私は嬉しくて、また大きな声を出してしまった。





まるで、君は
(ただの犬だな。いや、忠犬と言うべきか。)





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ツンデレンジ最高。




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