あの日背中合わせで交わした約束。
ねぇ、アンタはまだ覚えてるのかな。





「俺よォ、明日誕生日なんだわ」

「マジで?そりゃ知らなかったオメデトウ」

「言葉に全く誠意が感じられねェんだけど。何で言わされてる感満載なんだよ」

「いやいや別にそんなんじゃないよホント。軽く流してこの話を早々に終わらせようとか別に全然考えて無いからホント」

「ちょ、少しは歯に衣着せてくんねーかな。本音丸出しじゃねーかコノヤロー」

「人間本音で語り合うのが一番だって死んだ爺ちゃんが言ってた。あ、いま私おもっくそイイ事言ったよね。素晴らしくない?」

「何?何そのちょっと勝ち誇った感じ?時と場合によるだろ何かムカつくんだけど」

「あんまグダグダ煩い事言ってるとホントに何一つ祝われる事なく今日を終えるが」

「っだよお前ェ、愛する大事な仲間の生誕を祝ってやろうって気は無ェのか。今からでもいいから用意しろよプレゼント」

「無理だよ今月サイフすっからかんだもん。ほら今日に備えて刀新調しちゃったしさー」

「マジでか。んじゃ最終兵器、私をあげる☆的なアレでも俺的には構わねェけど」

「冗談は髪型だけにしてくれる」

「いじめカッコワルイです」

「辰馬にでもタカるか、あいつ金持ちだし。パーッと鍋パーチーでもやりたいね」

「お、それイイな。やるか鍋パーチー」

「やろっか。こいつら全員ブチ倒したら」

「オッケェ、そんじゃ決定な」

「晋助とヅラにも声かけといてね。ちなみに私は牡蠣鍋が食べたいんでよろしく!」

「そーだな、冬はやっぱ牡蠣がいい!」

「プリップリの牡蠣が食べたい!」

「名前、鍋パーチーまで死ぬなよ!」

「お前もなァァァ銀時ィィィ!!」





振り返る事も無く言葉を交わした次の瞬間、私達は各々の敵目掛けて切り込んでいった。
生きて帰ろう。
年に一度の記念日を一緒に祝おう。

背中合わせで交わした約束。
今まだ果たせていない約束。
ねぇ銀時、アンタもまだ覚えてる?





(あれから何度の十月十日が過ぎただろう)
(何時かきっと来る筈のその日を信じてる)




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