任務の無い時間アタシはずっと暁に居た。
引きこもりとか言うんじゃねぇよ。
アタシはサソリに教わった通りに自分に似た“擬態人形”を作って一段落したから休憩中。


其処に追われて途方も無いアタシを救った彼奴が現れた。


「バテてるな」

『うるっさい!! アタシは今疲れてるんだから……出てってよ』

「(チッ……心配して来たのに……)悪かったな」


そう言ってアタシの前から出て行こうとする。
アタシは咄嗟に立ち上がりマダラを止めた。


『ちょ、ちょっと待ってよ!!』

「………なんだ」

『何で出て行こうとするのよ!!』

「お前が出ていけと言った」

『だからってホントに出て行かなくても良いじゃない』


そんな事に鵜呑みにするなんて思わなかった。
確かに出ていけなんて言ったけどだからって素直に受け取らなくても良かったのに………。

あー……涙出てきた。


「八重……。 泣いてるのか?」

『な、泣いてなんていない!!』

「嘘を吐くな。涙の痕がある」

『ぐす……っ、独りにしないで』

「誰がお前を独りにするか。寧ろ、俺は……」


ふわりとマダラに抱き締められると不安とか寂しさが全部吹き止んだ。
涙も止まった。




自分が独りじゃないって事が分かった。




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