6話








今日は悟くんに頼まれて出店を出す大規模イベントへ参加していた。

今日は平日だけどこの日の為に有給を取っておいたと言っても過言ではない。



「俺あれ食べたい」



悟くんが指を指した出店は手持ちで食べれるパンケーキと書いてある。



「え、さっき大きいクレープ食べなかったっけ?」

「…別腹」

「使い方まちがってるよ…流石に甘い物食べすぎちゃうから却下」

「ケチ」

「ケチでいいもん。しょっぱい系食べてから最後に来ようよ」

「後で来るならいいけど。」



悟くんを説得し、私は色々な出店を見て回る。
かなり出しているお店があって選びきれないなぁと悩んでいると悟くんは私と繋いでいた手を離しある出店の商品を見つめる。



「それ欲しいの?」



悟くんが見ていたのはシルバーアクセサリーの翼の模様が描かれたロケットだった。



「…2つ欲しい」

「2つ?」

「俺とお姉さんの分」

「へぁ?」

「お揃い欲しい…」



私は雷にうたれるような衝撃を受けた。
何だこの可愛い子は…本当に可愛すぎて変な声出た。

私は迷わず手に取り出店のおじさんに勢いよく「これ下さい!」と言うとおじさんは笑いながら売ってくれた。

だけど買ってからフッと気づいてしまった事がある。



「ロケットに入れる写真どうしよう」



彼氏は居ないし家族とも仲が良くない。
友達は居るけど友達の写真を入れるのは違う気がするし…と、私が悩んでいると私の服の袖を悟くんはクイックイッと引っ張る。

私が悟くんを見ると悟くんは自分を指差していた。



「え、悟くんの写真入れていいの?」

「お姉さんのに俺の入れて俺のにお姉さんの入れればいいじゃん」



私が悟くんの言葉に驚いていると悟くんは上目遣いをしながら口を開いた。



「一緒に…ダメ?」

「全然ダメじゃない!むしろ嬉しいと言うか入れていいの?こういうの初めてだから何かドキドキする!うわっ!仲良しな感じがする!これが母性?いや姉性?姉性ってなんだ?とにかく本当に嬉しいからダメじゃない!」

「興奮しすぎ」



そう言って興奮する私を見て笑いながら悟くんはそう言った。

興奮が冷めないまま私は悟くんと初めてツーショットの写真を撮る事になった。

写真を撮るのは良かったんだけど1枚で終わるはずだった写真撮影は何枚も何枚も悟くんのオッケーが出るまで続いたのだった。






ーーーーー…。



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