銀土/once a week 01

これが俺に残された、最後の時間だ


once a week 1日目


余命一週間とは笑わせたもんだ。
せめて一ヶ月とか、もう少し長い時間あってもいいんじゃないのかって思う。
俺は大層な病気にかかっているわけでもないし、別に寝込むほど体調が悪いわけでもない。
ただ、この前の討ち入りの時に本当に少し、正体の分からない薬をかぶってしまっただけで。
だから、この薬がこんな危ないものだったなんて、思いもしなかった。

総悟には、討ち入りで薬かぶって死ぬなんて、ベタですねなんて言われた。
近藤さんには泣き付かれた。
とうの俺は、まだ自分が死ぬという実感はなかった。
医者が言うには、急激な速度で体の機能が低下していくらしい。
だから余命一週間。
体に異常が出はじめるのは死ぬ二、三日前だそうだ。

俺は今、万事屋の前にいる。
銀時にこの事実を伝えに来たのだ。
銀時とは、一般的にいうお付き合いというものをさせてもらっている。
俺は銀時のことをぶっちゃけ本気で愛している。
本人の前で言葉にすることはないけれど、







「誰が、死ぬって?」

「だから、俺が」


銀時は目を思い切り開いて俺を見た。
そりゃそうだろう、誰だって驚いて、冗談だって思うだろう。
だって俺はいつもの姿でここにいるんだから。


「いやいや、銀さんにそういう冗談は通じねぇから」

「冗談じゃねぇ」

「………本当、なのか?」

「紛れもない事実だ」

「はは、嘘だろおい」

「残念ながら、俺はあと一週間であの世にいっちまう」


俺は銀時を真っすぐ見た。


「だから、なぁ、お前の一週間を俺にくれよ」

「ひじかた、」

「俺の残りの時間をお前にやるから」


それって結局どっちもどっちじゃんって、涙の残る目でお前は笑って言った。



残り6日
2011/03/05 20:27
[ prev / next ]
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -