赤目

ジリリリリリリリリリリ

カチッ
「うるさいなぁ…」
俺は風丸一郎太。16歳の高校一年生。
確か今は五月だっけ?日付気にして過ごしてなかったからわかんねぇや。
まぁ。今日から俺の高校生活は始まるわけで…。。
「お〜〜〜い!!風丸ーー!!」
えっ?五月なのになんでだって?
それより、窓の外のうるさい幼馴染に
返事をしておこう。
「あぁ、おはよう円堂、少し待っててくれササッと飯食うから。」
家の下からわかったーという声が聞こえてきた。
あぁ、戻ってきたんだな
この。いなずま町に。。。。

『イヤー本当久しぶりだな!!2年?3年ぶり???』
「2年ぶり。」
『そうそう!2年ぶり!!!』
「本当。お前は変わってないんだな。」
『えーどれなんかちょっと傷つくぞ;;』
「ははwwごめんってばw」

こんな他愛のない話を幼馴染としたのは昨日。

戻ってきたというのは。
俺は中学2年生になると同時に隣の県に引っ越していった。
そして高1の今、このいなずま町に戻ってきたのである
思いのほか手続きに遅れてしまい5月になったが…。

「円堂待たせちゃ悪いし飯食うかっ!」
そう思いまだ眠たい思い腰を上げ、ベッドから降りると
ふと、目の前の時計が目に入った。
時計の針が示す時間は…。
「5時…!?」
えっ。夕方じゃなくて!!?
それもそれで大問題だが。
てか、は?5時??この時計イかれたのか?
いやいや。先週買ったばかりだぞそれはない。
といいますかますか、円堂こんな早起きできる奴だっけ?
円堂がイかれたのか?
「オイ!円堂!!なんでこんな朝早くに!!?」
「なんでって。朝練するんだろー?」
「は?」
朝練?なんのことだ。。。
「サッカーだよサッカー!
 久々に風丸とサッカーできるなんてわくわくしちゃってさ!」
「…サッカーか……」
そんなのもやってたっけでも今は…。
「風丸?」
「あぁ!ごめん何でもない!!お前待たせるのも悪いし先行っててくれ。」
「んぁ?おぅ。わかったー遅刻はするなよー」
深く聞いてくれないところがこいつのいいところだ。
まぁ。鈍感なのか天然だから聞いてこないのかわからないが。
「お前じゃねーからしねぇっての!!!」

 ×××
「サッカーね…。」
そんなのに明け暮れてた時期もあった、と思う。
わからない。"俺"は知らない…
知らない。サッカーはやめたんだ。
捨てたんだ。俺はあの時俺自身を殺したんだ。
だから。。。。
もう。。。。
俺にサッカーなんて…
いらない、というか、やっちゃいけない。
鏡の中の俺の目が赤くなった。。。

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赤目

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