威風堂々
キミは、こんなことして、 怒ったり呆れたりしないの?
「ええっどうして?…信じられない気持ちもあるけど、すっごく嬉しいよ」
だって、普通はしないよ、きっと。
「おっと、探偵さんが常識に捕らわれちゃだめだぞ!」
え、えー……。
「…それに、誰が何を言おうと、私の誕生日を祝ってくれる気持ちは真実でしょう?…あのとき、キミが言っていたみたいに」
ーあかまつ、さん。
「だからね、…毎年この日に、おめでとうって言ってくれて ありがとう、最原くん」
そう言って笑う彼女の顔は、隠す帽子はもうないのに、ぼやけてよく見えなかった。
190329
Clap