アンダンテ | ナノ

High Five

〜あらすじ〜
EoHトーナメント本戦の1回戦めをジャイロ・ツェペリと空条徐倫のコンビは見事勝ち抜いたのであった!


「やったなジャイロ」
「おう!」
バトルを終えたジャイロに労いの言葉をかけに行くと、掌を目の前に向けられて、ジョニィは首を傾げた。「…なに?」と問いかけると、「ハイタッチだよハイタッチ」と何てことはないように言われてしまい、ますます戸惑う。
「…そんなの、パートナーとやればいいじゃないか」
そうして口から出た声は明らかに拗ねたものだったので、我ながら恥ずかしくなった。ああわかっている、これは拗ねているだけだ。ジャイロの隣でともに戦えない悔しさを、素直に喜びを分かち合えない悲しさを、手前勝手に感じているだけだ。勝利を納めたジャイロたちを見るのは誇らしく、嬉しいのに、回が進むにつれ複雑な気持ちになっているジョニィだった。せめて自分も、自分たちも勝ち進んでいたらこんなモヤモヤしなくて済んだのだろうか。なんてうじうじしている自分が情けなくて顔を伏せると、はあ、とため息が聞こえた。
「おめーだってパートナーだろ、オレの」
「!」
「まったく、何の因果でこの戦いに参加しなくちゃならねえことになったのかはわからねえけどよ〜、」
「ちょっ、ジャイロ…」
急にジョニィの頭を撫でまわしてきたジャイロに抗議の声を上げようとすると、妙に真剣みを帯びた表情がそこにあったものだから、息を呑んだ。
「やるからには優勝を目指すぜオレは」
だからちゃんと見とけよ、ジョニィ。一緒に戦え。
そう言っていつものように笑って金歯を見せるジャイロに、ジョニィは不覚にもぐっときてしまったが、
「……なら、あの子にばっか戦わせるなよ。君、今日全然活躍してなかったし」
「う、うるせえなッッ」
つい憎まれ口を叩いてしまった。あの娘が強すぎるんだよ、と言い訳がましく述べるジャイロがおかしくて、ジョニィはふっと笑った。
「…ちゃんと見ているからさ…、勝てよな、ジャイロ」
そこで今度は自分から掌を向けると、ジャイロは嬉しそうに合わせてきて、小気味良い音が響き渡った。





徐倫ちゃんと仗助は傷の手当てをしながら2人のやり取り思いっきり聞いてるけどスルーしてます(もう慣れた)
優勝する姿、見せてくれよジャイロ!!応援してるんだから!!
151215


<1216追記>惜しくも優勝は逃してしまったけどお疲れ様ジャイロ、徐倫ちゃん!!
今夜は焼き鳥食べに行こう byジョニィさん


Clap

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