「トウヤ！行くわよ！」
「…は？どこに？」
「どこって…何言ってんのアンタ」
「…トウコの方が何言ってるかわからないんだけど」
「賢人のおっさんたちを探しに行くに決まってるでしょ」
「はああ？」
「さっき国際警察の人に頼まれたじゃない。良い機会だからアンタもいい加減、外出なさい」
「…あんなの大人の、警察の仕事だろ。全部全部、僕に押し付けてさ……皆、勝手だ。何で僕がしなきゃいけないんだ」
「それがアンタの仕事だからよ」
「え？」
「いい？トウヤ。やりたいことをやるのがあたしたち子どもの仕事、やるべきことなのよ」
「……」
「アンタは今、何がやりたいの」
「僕は…」
「Ｎに会いたい、それだけでしょ？」
「…っ、」
「だったらいつまでも家でチンタラしてないで、行くわよ」
「…それと、賢人たちを探すこと、関係あるの？」
「何か手がかりがあるかもしれないじゃない。アンタはＮの、あたしはゲーチスの」
「！　それは…」
「ふふん。無視するには惜しい誘いでしょ？」
「…トウコも、行くのか」
「何か文句ある？」
「僕と一緒に何かするなんて、昔から嫌がってたくせに」
「一時的な共同戦線よ」
「…」
「まあ、アンタが行かないんならあたし一人で行くから。賢人のおっさん達に洗いざらい話してもらって、何も情報が掴めなかったとしても、行く」
「…トウコ…」
「…それで、絶対、―今度こそアイツをぶちのめしてやるんだから」
「……強いな、トウコは。僕は、駄目だ。僕には、出来…っ痛！」
「うるさいわね。ごちゃごちゃ言ってないで、さっさと準備する！」
「一人ででも行くんじゃなかったのかよ…」
「Ｎに関することが何かしらわかって、いちいちアンタに報告しに行くのが面倒」
「ええ…」
「いいから、黙ってあたしについてきなさい」
「………わかった」
「よし。―行くわよ、トウヤ。アイツ等を、追っかけに」
「…うん」

―彼らの第二の旅が、今、始まろうとしていた。

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引きこもりトウヤくんとアクティブ（？）トウコちゃん in their home
120514

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