dream | ナノ


challenge style 4月号

「なぁ〜不二、見てみて!」
「うん?」

ただ今部活が終わり、お着替えタイム。着替えを早く終え、不二を待ちながら菊丸は、先程から新聞部が作った雑誌を読んでいた。面白いものを見つけたのか、悪戯好きな子どもの目をしながら不二に話しかけてきた。
そこには、新2年生用に用意したらしい『モテる先輩大研究☆』と大きく見出しがあった。

「…で、これがどうかしたの、英二?」
「あんね、これどーゆー先輩がモテるかって生徒のコメントがあるの。ほらコレコレ。何と!ここに不二の名前あんだぜ〜」

そう言って指す先を見ると、一人一人のコメントが細かく書かれている中に、確かに自分の名前があった。
【不二周佑もズバリ「後輩に優しい」(KOUTA,N)】
…何様だ!!おまけに漢字も間違われてるし。少々呆れながら記事を見つめてると、菊丸はあははは〜と笑いながら感想を述べる。…それが、魔王様の逆鱗に触れるとも知らずに。

「ってゆーかさ、不二が優しいって…ププッ」
「……」

ピキッ!その時、2人の周りにいる空気が凍った。

「みんな不二の笑顔に騙さ…(ゾクッ!)……えっ?」
「…どうしたの、英二?」
「(なななな何かすげぇ寒気が!!!)…え、え〜っと、いや、その…」
「僕が、何だって?」

鈍い菊丸君もようやく不二が怒っている事に気づいたみたいだ。それはそれはいつもの数倍のにこやかな笑顔によって。…その後ろに取り巻く、どす黒いオーラによって。

「僕が優しいって言われるとおかしいかな…?」
「うううう、ううん!不二は優しいよね!!もう仏様並みに!!!はい、これでこの話題お終い!」

今にもはち切れるんじゃないかっというぐらい首を横に振ると、既に涙目になっている菊丸はムリヤリこの話を終わらせた。

…でも魔王さ……(ゾクゾクッ!)」
「英二、死にたい?」
「ひっ、ゴメンにゃさい嘘です冗談ですだからそのこの上なく優しい笑みやめてーーーっ!」


「不二先輩やさしーと思うけどなぁ」
「エリーにだけじゃん。…俺のこと、いっつもからかうし…」
「あぁ、不二先輩、好きな子は苛めたいタイプだって言ってたから、しゃーないよ」
「…え?」
「愛されてるねぇ、リョーマ」
「……え?」

にしても菊丸先輩って馬鹿だな〜、と。
頭を抱えて心底悩んでるリョーマの横で、エリーは思ったのだった。



軽く実話。タイトル&新聞部が作った雑誌ってのは、進○ゼミのこと。
見たときはそりゃあもうビックリ。っつーか名前間違えてんじゃねぇよ、って感じでした。笑


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