dream | ナノ


playing W

「あああああポーちゃん…!君まで…!」

画面が真っ暗になる前に電源を切り、エリーはうなだれた。それからベッドから降りて、テレビゲームをしているリョーマの横にどすんと座る。

「うー…リョーマ!聞いてくれ!!」
「愚痴なら他でやって」
「そんなこと言わずにさ…負けちゃったんだよ…」
「何」
「バトル…ポケモンのね…この緑髪なんかに…!!」

閉じたDSを恨めしく見るエリーを華麗にスルーして、リョーマはコントローラーの○ボタンを連打する。こちらはこちらでモンスターとのバトルに忙しいようだ。

エリーはゲームを深く考えずにやる。ボタンを細かく使う系や頭を使う系はてんで駄目。RPGもこつこつレベル上げなんて面倒くさくて無理。ただ、それでもまだ単純なシステムで、可愛いキャラクターがたくさんいるポケモンだけは昔から好きだった。相性などは考えずに高レベルでゴリ押しするエリーは負けても特に気にしないが、今回は別だ。新作のライバルポジションにいるキャラが、どうにもムカつく感じだったからだ。

「訳わっかんないことごちゃごちゃ言ってさー気味悪いしさー…コイツにだけは何か負けたくなかった…」
「へえ」
「何で負けたんだろ…ううう」
「さあ」

聞いてるふりすらせずに言葉を受け流すリョーマの肩にそっと右腕を回して、そのままエリーはリョーマの肩にもたれこんだ。

「っちょっと、」
「お、君も負けそうだね。仲間仲間」
「…エリーと一緒にしないでくれない?」
「あ、…さっすが」

エリーの行動に反応したリョーマがミスって勝負が危うくなるも、すぐに立て直した。テレビ画面で繰り広げられる戦いと、それを無表情でプレイしているリョーマを交互に見てエリーは楽しそうに笑う。

「ねえ」
「何だい」
「う・ざ・い」

肩にかかるエリーの体重というか体温というか、とにかく鬱陶しい。やはりこちらを一切見ずに告げられたリョーマの言葉にエリーはええーと言う。

「慰めて欲しいだけなのに」
「断る」
「ちぇっ」

けっこうこの体勢気持ち良かったんだけどなー。これ以上は本気で怒るだろうから、エリーはしぶしぶ右腕を離れさせる。今度は後ろのベッドにもたれこんで、またDSをつけた。

「ね、リョーマ」
「ん?」
「雨止んだらテニスしよテニス」
「ん」

その返事に満足して、エリーはベッドに放り投げていたタッチペンを取って、DSメニューからポケモンを選択した。
「ポーちゃんたち、今度は頼むぜ…!」
今度こそ勝つ。あの緑髪完敗させたる。そう意気込んで、エリーは再びバトルすべく、『続きから始める』――Aボタンを押した。




…正直すみませんでした。
夢主ちゃんは絶対あの人…一応ライバルポジにいるNさんというキャラのこと嫌いだろうなーとか思って妄想が止まらなくなった結果がこれです。ちなみにポーちゃんとはポカブというポケモンのことです。タイトルのWはそのポケモン新作名のブラックホワイトのホワイトのW.いや何かホワイトで捕まえられるゼクロムってポケモンが夢主ちゃん好きそうだなって思いまして。…やってない人にはわからないネタでいやホントすみません。趣味に走りました。笑
っていうかこの二人仲良くね?…いやいや越前はもう夢主ちゃんのこと空気としてますから。悪い意味で。


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