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TV『せかい ふしぎはっけん』

「…俺は、エリーが不思議だな」
「!」
「(あ、言わなければ良かった)」
「…ほう、リョーマはあたしのことを不思議に思うと!そうかそうか、なら、」
「(うるさい…)」
「不思議=わからないってことだよな? 何でも聞け!何でも答えるぜ!」
「…」
「さぁさぁ遠慮しないで」
「ない」
「え」
「聞きたいこと。ない」
「えー…んな、自分から言っといて」
「ただの呟きに過剰反応すんな」
「ぶーぶー」
「…じゃあ、聞く」
「! おう、何だ!」
「何を聞けばいい?」
「…それは、また…予想外の質問デス…」
「で?」
「た、例えば…好きな食べ物とか!」
「何食っても美味しそうにしてるじゃん、お前」
「えと、入ってる委員会とか?」
「俺と同じでしょ」
「暇な時何してる、とか」
「俺にいちいち構ってきてウザイね」
「…苦手教科とか…」
「数学英語」
「ええと、うーん、ほら、…ん?あれ?」
「何」
「…リョーマってさ」
「うん」
「何気にあたしのこと詳しい?」
「…は?」
「いやだってさっきからズバズバ答えてんじゃん」
「…そりゃ、同じ家に、毎日いたら、嫌でもわかるだろ」
「でも『不思議』?」
「(頷く)」
「なるほど」
「…何考えてんの」
「お、質問ですか。それでは答えて進ぜよう!」
「いややっぱいい」
「こらこら逃げんな。今、あたしが考えたことは何かと言うと…嬉しい!」
「…嬉しい?」
「うむ。リョーマがあたしのこと知ってることが嬉しい」
「だから、」
「そんで、もっともっと知って欲しい」
「…」
「あたしももっと知りたい!以上のことです越前さん」
「…ふーん」
「うん!」
「あっそ」
「うん!」
「俺は知りたくない」
「う…っておい、それはないっしょ…」
「本心」
「ひでー。よし、もっと話し合」
「じゃ、俺風呂入ってくるから」
「あ、ちょ、待てー!まだ話は終わってないぞー!」

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